3級ガソリン

【3級ガソリン】令和7年度第1回 実施日:令和7年10月5日

hanabi

分かりやすくお伝えするため、要約により構成しています。

覚えやすさを優先しているため、独自の解釈があったり言葉足らずの部分もあるかと思いますが、試験に合格することを第一の目標としているためご理解ください。

正式な試験問題と解答は、日本自動車整備振興会連合会のホームぺージよりご確認ください。

No.1~15

No.1

【問題】
エンジンの燃焼および排出ガスに関する問題です。
間違っている記述を選択します。

(1)シリンダ内の構成・特徴に関する記述
(2)燃料蒸発ガスの成分に関する記述
(3)ブローバイ・ガスの発生に関する記述
(4)混合気の空燃比に関する記述

シリンダ内部
空燃比とは?

空燃比とは、空気とガソリンの割合のこと。
燃料を完全燃焼させるのに理想とされる理論空燃比は、14.7:1(空気:ガソリン)と言われています。

一方、最適な空燃比(混合割合)は、運転状況や燃焼状態で大きく変わるため、理論空燃比に対して“濃い・薄い”空燃比に調整されます。

始動時・高負荷時濃い空燃比(5:1や7:1など)
低負荷時薄い空燃比(16:1や20:1など)

ガソリン・エンジン自動車から排出される有害ガスは、主に“ブローバイ・ガス”、“燃料蒸発ガス”、“排気ガス”の3つ。

【ブローバイ・ガス(吹き抜けガス)】
燃焼室からピストンとシリンダ壁の隙間を通ってクランク・ケース内に吹き抜けた未燃焼ガス。
主成分はガソリンの成分であるHCです。

【燃料蒸発ガス】
燃料タンクなどの燃料装置から燃料が蒸発し、大気中に放出されるガス。
これも主成分はHCです。

【排気ガス】
燃焼したあと、マフラーから排出されるガス。
大部分が人体に無害なものですが、一部有害な成分を含んでいます。

[無害]
CO2:二酸化炭素、H2O:水、N2:窒素
[有害]
CO:一酸化炭素、HC:炭化水素、Nox:窒素酸化物

(1)について

シリンダ内の燃焼圧力は燃焼開始後上昇し、ピストンが上死点から下がり始めた直後が最大になります。

(2)について

燃料タンク内で燃料が蒸発したガスのことで、ガス成分はガソリンの主成分のHCです。

(3)について

ブローバイ・ガスは吹き抜けガスのことで、ピストンとシリンダ壁の隙間を抜けていきます。
ガス成分は、ガソリンの主成分のHCです。

(4)について

エンジン始動時は、とにかく一発でエンジンをかけるため、濃い空燃比になります。

覚え方のポイント

空燃比の問題は多いので、濃い・薄いを理解しましょう。
ポイントは『理論空燃比に対して』です。

HCはガソリンそのもの。COは燃焼時の酸素不足で発生します。
有害ガスの発生要因を理解しておくと間違えません。

【正解】(1)

【hanabiの現場メモ】

空燃比のずれによるエンジントラブルは数多くあります。

試験の問題ではありますが、この空燃比の理解が基礎になって整備へとつながっていきますので、しっかりと覚えておきましょう。

No.2

【問題】
インテーク・マニホールド、エキゾースト・マニホールドに関する問題です。
正しい記述を選択します。

(1)エキマニの取り付け位置に関する記述
(2)エキマニの構造に関する記述
(3)インマニ構造の工夫に関する記述
(4)インマニの材質に関する記述

エンジン構成

【体積効率】
吸入した混合気を100%シリンダへ送ることができれば、体積効率は1となりますが、実際のエンジンではスロットル・バルブ、インテーク・バルブによる抵抗や、インテーク・マニホールドの形状(カーブがきついと抵抗多い)により、体積効率は0.8程度です。

その体積効率を上げるために、インテーク・マニホールドの形状を見直したり、吸気ポートを研磨したりと、吸気抵抗を減らす工夫がされています。

(1)について

インテーク・マニホールドやエキゾースト・マニホールドは、インテーク・バルブやエキゾースト・バルブのあるシリンダ・ヘッドに取り付きます

(2)について

サージ・タンクとは空気を溜めておく場所のことで、吸入した空気を一時的に蓄えておき、各シリンダへ均等に分配するために設けられています。

そのため、サージ・タンクはインテーク・マニホールドと一体になっているものがあります。

(3)について

吸気抵抗を下げることで混合気がスムーズに流れるようになり、各シリンダの体積効率を上げることができます。

(4)について

エキゾースト・マニホールドと比較して低温であるインテーク・マニホールドには、アルミニウム合金のほかに、軽量な樹脂製のものも使われています。

【正解】(4)

【hanabiの現場メモ】

吸気抵抗を減らす(体積効率を上げる)ということ一つをとっても、可変吸気のマニホールドやスロットル・バルブを廃止したバルブ・マチック、ターボ・チャージャなど、多くの装置があります。

整備をしていく中で、この装置の目的なに?ということが多く出てくると思います。
問題に出た吸気抵抗や体積効率の理解によって、新しい装置や新機構の早期理解が期待でき、その結果、車全体の理解度向上へとつながっていきます。

No.3

【問題】
クランクシャフト軸方向の遊びの測定工具に関する問題です。
正しい選択肢を選びます。

(1)プラスチ・ゲージ
(2)ダイヤル・ゲージ
(3)キャリパ・ゲージ
(4)コンプレッション・ゲージ

(1)について

プラスチック・ゲージを略したプラスチ・ゲージ。
コンロッド・ベアリングのオイル・クリアランスを測定するための工具で、コンロッド・キャップとクランク・ピンの間にプラスチ・ゲージを挟み規定トルクで締めつけたあと、コンロッド・キャップを取り外し、つぶれたゲージを付属の袋の目盛りで読み取ります。

(2)について

ゲージ先端の伸縮により、0.01mmまで読み取り可能な測定工具。
クランクシャフト軸方向の遊びやカムシャフトの回転振れなどに使用します。

ダイヤル・ゲージに専用のロッドを取り付けることで、シリンダの内径を測定するためのシリンダ・ゲージとして使用することもあります。

(3)について

バルブ・ガイドなど、小径の部品の内径を測定するための工具で、目盛り盤がダイヤル・ゲージと似ているため、間違えないように注意しましょう。

(4)について

エンジンの圧縮圧力を測定するための工具です。
コンプレッション=圧縮。
ゲージの名前で役割を覚えておきましょう。

【正解】(2)

【hanabiの現場メモ】

測定工具の中にはエンジンを分解したときにしか使わないものもありますので、作業内容によっては使わないこともあると思いますが、頻繁に使う工具も多くあります。

例えば、エンジン不調の車を点検するときに、コンプレッション・ゲージの使い方がよく分かっていないと、エンジンの回転だけで「圧縮圧力は大丈夫だろう」と安易に判断してしまい、散々回り道をした結果、圧縮圧力の低下が原因だったこともあります。

工具の種類や使い方を理解することで早期解決へつながるケースがありますので、しっかりと覚えておきましょう。

No.4

【問題】
トロコイド式オイル・ポンプに関する問題です。
間違っている記述を選択します。

(1)各ロータの組み付け状態に関する記述
(2)サイド・クリアランスに関する記述
(3)各ロータの作動に関する記述
(4)チップ・クリアランスに関する記述

オイル・ポンプ:3つのクリアランス

オイル・ポンプの良否を判断するために、3つのクリアランス(隙間)測定があります。
クリアランス測定にはシックネス・ゲージを使い、サイド・クリアランス測定では、シックネス・ゲージとストレート・エッジ(真っすぐな金属)を使います。

【チップ・クリアランス】
アウタ・ロータの山とインナ・ロータの山との隙間
限度を超えている場合は、アウタ・ロータとインナ・ロータを組で交換。

【ボデー・クリアランス】
ポンプ・ボデーとアウタ・ロータとの隙間
限度を超えている場合は、ポンプ・ボデー、アウタ・ロータ、インナ・ロータを組で交換。

【サイド・クリアランス】
ロータとカバー取り付け面との隙間
限度を超えている場合は、ポンプ・ボデー、アウタ・ロータ、インナ・ロータを組で交換。

オイル・ポンプ

(1)について

インナ・ロータよりもアウタ・ロータの歯数の方が多く、インナ・ロータ中心とアウタ・ロータ中心位置は異なります。
中心の異なりを偏心と言い、この偏心によってオイルの圧送ができるようになっています。

(2)について

各クリアランスを上図で押さえておきましょう。

(3)について

クランクシャフトによりインナ・ロータが駆動され、インナ・ロータによってアウタ・ロータが回されます
2つのロータの回転方向は同一です。

(4)について

各クリアランスを上図で押さえておきましょう。

覚え方のポイント

各クリアランスの測定箇所限度を超えていた場合の交換部分
チップ・クリアランスはロータのみ。
ボデーとサイドはボデーとロータを全交換になります。

インナ・ロータが駆動アウタ・ロータが受動で、回転方向は同一です。

【正解】(3)

【hanabiの現場メモ】

オイル・ポンプのクリアランス測定の機会は多くありません。
油圧系のエンジントラブルでエンジンを分解したときには、オイル・ポンプを即交換することが多いためです。

しかし、オイル・ポンプの不具合なのか確証が持てない場合には、クリアランスを測定し、異常がなければポンプ周辺を清掃して再使用することもあるので、整備士として良否判定の手順は理解しておくべきでしょう。

No.5

【問題】
コンプレッション・リングに関する問題です。
正しい選択肢を選びます。

(1)、(2)、(3)、(4)共通

コンプレッション・リングとは、ピストンに取り付けられている“トップ・リング”と“セカンド・リング”の総称です。

コンプレッションという名前のとおり、シリンダ内の圧縮を逃がさず保つためのピストン・リングです。

リング構造

ピストン・リングには複数の種類があり、断面形状に違いがあります。

形状による名称の違いを押さえておきましょう。

リング形状
  • プレーン型:特徴は特になく、一番基本的な形状。
  • バレル・フェース型:シリンダとの接触面が円弧状。プレーン型の上下の角が取られた形状で、トップ・リングに使われる。
    使い始めからシリンダを傷付けにくい=初期なじみが良い。
    ちなみに、プレーン型も使っていくにつれて、シリンダとの接触により上下が削られ、バレル・フェース型のようになります。
  • テーパ・フェース型:テーパ状になっているため、シリンダに対して面ではなく線で接触。
    そのため、なじみやすく気密性が高い。セカンド・リングに使われます。
覚え方のポイント

まずは、プレーン型、バレル・フェース型、テーパ・フェース型の形状・特徴を覚えておきましょう。

問題の答えはアンダ・カット型です。アンダ・カット型は名前どおり、リング下部がカットされていることを覚えておきましょう。

【正解】(3)

【hanabiの現場メモ】

ピストン・リングの固着によって圧縮が保てず、エンジントラブルになる事例があります。
固着してしまう原因の多くは、エンジン・オイルの交換がされなかったことによるオイルの劣化です。

リングの固着を解消する添加剤を入れることで不具合が改善することもありますが、オイルの劣化に起因する不具合は多岐に渡りますので、オイル交換は確実に行うようにしましょう。

No.6

【問題】
プレッシャ型ラジエータ・キャップに関する問題です。
正しい選択肢を選びます。

ラジエータ・キャップの構造と目的

冷却水が沸騰すると、気泡が発生し冷却効率が著しく低下します。
しかし、冷却水をできるだけ高温に保った方がエンジン効率は上がるため、100℃になっても沸騰しないよう、ラジエータに圧をかけて沸点が上げられています

この原理は、気圧の低い山の上などでお湯を沸かすと70℃程度で沸騰することの逆の考え方です。

ラジエータの圧を上げるため、一般的にはラジエータのふたとしてラジエータ・キャップが使われており、ラジエータ・キャップは、プレッシャ・バルブとバキューム・バルブで構成されています。

プレッシャ・バルブとバキューム・バルブにはそれぞれスプリングが組み込まれており、圧力が規定値以上になるとスプリングが押し縮められプレッシャ・バルブが開き、冷却水はサブ・タンクへ送られラジエータ内の圧力が調整されます。

冷却水の温度が下がって収縮したときにはラジエータ内が負圧になるため、負圧に引き込まれることでバキューム・バルブが開き、サブ・タンクから冷却水を戻しています。

ラジエータ・キャップ

(1)について

バイパス・バルブは、一部のサーモスタットに取り付いている部品で、ラジエータ・キャップとは無関係です。

(2)、(3)について

冷却水温が上昇したときに開くのは“プレッシャ・バルブ”、低下したときに開くのは“バキューム・バルブ”です。

(4)について

リリーフ・バルブは、オイル・ポンプに取り付いている部品で、ラジエータ・キャップとは無関係です。

覚え方のポイント

ラジエータ・キャップで大切なのは、圧力が上がったときに開く“プレッシャ・バルブ”と、圧力が低下して負圧になったときに開く“バキューム・バルブ”の2つです。
名前と合わせて役割を覚えましょう。

【正解】(2)

【hanabiの現場メモ】

ラジエータ・キャップの劣化によって冷却水が減るトラブルにつながるケースは多くあり、そのままにしておくと冷却不足によるオーバーヒートへとつながります。

ラジエータ・キャップは、トラブルになる前に予防整備として交換することが重要です。
早めに交換する必要性をきちんと説明するためには、内部構造の理解が大切になってきます。

No.7

【問題】
バルブ・タイミングに関する問題です。
正しい選択肢を選びます。

(1)、(2)、(3)、(4)共通

この問題は各回に1問必ず出題されます。

バルブ・タイミング

上図は、クランクシャフトとピストンの位置関係、それに合わせて書いたダイヤグラムです。バルブ・タイミングの問題は、ダイヤグラムで解いていくと間違いも少なく分かりやすいです。

クランクシャフトとピストンの図では、エンジン前側(図の左方向)から1番~4番のシリンダを書いています。
まず押さえておくことは、1番と4番、2番と3番のピストンは必ず同じ位置にあるということです。

一方の組が上死点にいるとき、もう一方の組は下死点にあり、クランクシャフトを180°回転させると、それぞれの組は上死点と下死点が入れ替わります。

それぞれのピストンは“吸入・圧縮・燃焼・排気”と、4つの行程のいずれかを行っています。

問題を解くには、2つのダイヤグラムを書きます
1つは元々(問題文に書かれている)の状態、もう1つは“その状態からクランクシャフトを〇〇°回転させたとき”の状態のダイヤグラムです。

上図では、一番上の図が元々の状態。
一番下の図が、元々の状態からクランクシャフトを360°回転させたときの状態です。

覚え方のポイント

ダイヤグラムは右回り。
ダイヤグラムにシリンダ番号を入れていくときは、点火順序の順に左回りに入れていく

排気上死点(オーバーラップ上死点)のみ、2か所に同じシリンダ番号が入る。(排気上死点=吸入が始まるところだから)

問題の初期状態のダイヤグラムと、クランク回転後のダイヤグラムの二つを書く。

同軸上のクランク・ピン部分の数字は、必ず“足して5”になる。

【正解】(3)

【hanabiの現場メモ】

バルブ・クリアランスはカムの状態を見ながら測定するため、ダイヤグラムなどを意識することはないですが、エンジンの動きを知るうえでの筆記問題ということで、ぜひ覚えておきましょう。

No.8

【問題】
カートリッジ式オイル・フィルタのバイパス・バルブが開くときの記述問題です。
正しい選択肢を選びます。

(1)フィルタのエレメント入口の圧力が規定値を超えたとき
(2)オイルの圧力が規定値以下になったとき
(3)フィルタ出口側の圧力が入口側の圧力以上になったとき
(4)オイル・ストレーナが目詰まりしたとき

オイル流れ

エンジン・オイルは、ストレーナとフィルタでオイル内のゴミを取られ、オイル・ギャラリへと進んでいきます。

オイルの経路内には、油圧異常を検出するオイル・プレッシャ・スイッチが取り付けられ、油圧が低下したときやIG ON時にメータ内のオイル・ランプを点灯させます。

フィルタ内部

オイル・フィルタの中にはエレメント(ろ紙)が入っており、オイルを通すことで小さいゴミを取っています。

フィルタが交換されていないなどでエレメントが詰まると、オイルが抜けなくなり入口側の圧力が上がります。
入口側の圧力が出口側の圧力より一定以上高くなると、バイパス・バルブを押さえているスプリングを押し縮め、バイパス・バルブが開き、エレメントを通さずバイパス・バルブからオイルを通します。

エレメントを通さないことで小さいゴミは取れませんが、オイルが通れないことによる潤滑不良を起こさないように考えられたバイパス通路です。

(1)について

エレメントが目詰まりするとオイルの抜けが悪くなることで、入口側の圧力が上昇します。

(2)について

オイル・ポンプはエンジンにより駆動されているため、エンジン回転が上がるとポンプの回転も上がります。
回転上昇によってオイルの圧送圧力が必要以上に高くならないよう、ポンプの圧送圧力が規定値以上になったときに開くリリーフ・バルブが付いています。

(3)について

バイパス・バルブが開くのは、入口側の圧力が規定値を超えたときです。

(4)について

ストレーナが目詰まりした場合は、オイルの通りが悪くなり油圧が低下することで、メータ内のオイル・ランプが点灯するようになっています。

覚え方のポイント

エレメントが目詰まりすると入口側の圧力が上がる。

バイパス・バルブとリリーフ・バルブの勘違いに注意。

【正解】(1)

【hanabiの現場メモ】

オイル・フィルタの交換は、エンジン・オイル交換と同時、または、オイルを2回交換するごとに1回が一般的です。

目立たない部品ですが、交換を怠っていると小さいゴミが残ったままオイルが循環し、様々な箇所の故障リスクにつながりますので、定期的に交換することが大切です。

No.9

【問題】
電子制御装置の各センサに関する問題です。
正しい記述を選択します。

(1)水温センサの特性に関する記述
(2)吸気温センサの役割に関する記述
(3)バキューム・センサの電圧特性に関する記述
(4)O2センサの構造に関する記述

水温センサと吸気温センサには、負特性のサーミスタが使われています。
負特性とは、温度が上がると抵抗が小さくなるものです。

2つのセンサの違いは金属製か樹脂製かだけで、特性はまったく同じものになります。

バキューム・センサは吸入空気量を検出するセンサで、センサ内部のシリコン・チップの変形を電圧に変換し、エンジンECUへ出力しています。

インテーク・マニホールドの圧力は、スロットル・バルブの開閉によって変化します。
その圧力は、スロットル・バルブが閉じている(アクセルを踏んでいない)ときは真空に近く、開いていく(アクセルを踏んでいく)ほど大気圧に近付いていきます。

センサの出力電圧は、大気圧に近付くほど高くなります

O2センサは、排気ガスを直接センサに当てることで、排気ガス中の残存酸素濃度(どのくらい酸素があるか)を検出しています。

残存酸素濃度を見ることで、現在の空燃比が濃いのか薄いのかを知ることができます。

排気ガス中に酸素が多い…空燃比が薄い
排気ガス中に酸素が少ない…空燃比が濃い

センサ内面には大気が導入されており、ジルコニア素子を介して、センサ外面は排気ガスにさらされています

(1)について

負特性ののサーミスタは、温度が上がると抵抗が下がります。

(2)について

吸気温センサは、吸入する空気の温度だけを見ています。

(3)について

真空のときは電圧が低く、大気に近付くにつれて電圧が高くなります

(4)について

センサ内面に大気が入り、外面が排気ガスにさらされています。

覚え方のポイント

水温センサと吸気温センサの特性は同じ。

バキューム・センサの信号電圧は、アクセルを踏んでいくと高くなる。

O2センサの構造では、内面と外面の文章入れ替えに注意。

【正解】(1)

【hanabiの現場メモ】

水温センサに使われているサーミスタは、“特性ずれ”の故障を起こすことが多く、エンジンECUに間違った水温の信号が入ることで、エンジン不調のトラブルにつながることがあります。

センサの点検を行うときには、温度と抵抗の変化で見ていくことがあるため、ここで学ぶ構造や特性が基本となって、のちの点検につながります。

No.10

【問題】
排出ガス浄化装置に関する問題です。
正しい記述を選択します。

(1)三元触媒の浄化作用に関する記述
(2)燃料蒸発ガス排出抑止装置に関する記述
(3)PCVバルブの作動に関する記述
(4)EGR装置の作用・役割に関する記述

排出ガスについて

ガソリン・エンジン自動車から排出される有害ガスは、主に“ブローバイ・ガス”、“燃料蒸発ガス”、“排気ガス”の3つ。

【ブローバイ・ガス(吹き抜けガス)】
燃焼室からピストンとシリンダ壁の隙間を通ってクランクケース内に吹き抜けた未燃焼ガス。
主成分はガソリンの成分であるHCです。

吹き抜けたガスを溜め込まないように、ブローバイ・ガスをインテーク・マニホールドへ戻すためのPCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーションの頭文字)バルブが付いています。

【燃料蒸発ガス】
燃料タンクなどの燃料装置から燃料が蒸発し、大気中に放出されるガス。
これも主成分はHCです。

燃料蒸発ガスを大気に放出しないよう、燃料蒸発ガス排出抑止装置が設けられています。

【排気ガス】
燃焼したあと、マフラーから排出されるガス。
大部分が人体に無害なものですが、一部有害な成分を含んでいます。

[無害]
CO2:二酸化炭素、H2O:水、N2:窒素
[有害]
CO:一酸化炭素、HC:炭化水素、NOx:窒素酸化物

三元触媒の働き

三元触媒は化学反応により、エンジンから排出された有害ガスであるCO、HC、NOxを、酸化と還元作用によりCO2、H2O、N2へと変換する装置です。

NOxはO2(酸素)を取るとN2になり、COとHCはO2(酸素)を加えることでCO2とH2Oになります。

O2を取ることを還元、O2を加えることを酸化といいます。

触媒
PCVバルブ
PCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション)バルブ

PCVバルブにはスプリングが取り付けられ、インテーク・マニホールド圧力とスプリングの引き合いによってバルブが動きます。

エンジン停止時には、スプリングの力によって通路は全閉しています。

EGR(排気ガス再循環)装置

EGRは、Exhaust Gas Recirculation(排気ガス再循環)の頭文字を取ったもので、排気ガスの一部をインテーク・マニホールドへ戻すための装置です。

エンジンは、理論空燃比付近で燃焼しているときほど燃焼状態が良くなりますが、その分最高燃焼ガス温度が高くなっています。

そこで、燃え終わった排気ガスをインマニへ戻し、混合気に排気ガスを混ぜた状態で燃焼させることで、わざと燃えを悪くさせます。

その結果、最高燃焼ガス温度が下がります。

そのため、最高燃焼ガス温度を下げることがNOxの低減につながります。

(1)について

三元触媒は、有害ガスを無害なガスへ変換する装置です。
問題文を読み違えないようにしましょう。

(2)について

装置の名前と役割を合わせて覚えます。

(3)について

ブローバイ・ガスは、エンジンの負荷が大きくなるほど多くなります。
つまり、インテーク・マニホールドが大気圧に近付くほど、PCVバルブの通過面積は広くなります。

(4)について

EGR装置の役割は、最高燃焼ガス温度を下げてNOxを低減することです。

覚え方のポイント

三元触媒:酸化と還元、有害ガスを無害ガスへ浄化。

PCVバルブ:低負荷→通路狭い、高負荷→通路広い

【正解】(2)

【hanabiの現場メモ】

構造の基本が分かると、「なぜ触媒が必要なのか?」「ブローバイ・ガス還元装置の点検ってどうやるの?」ということへの理解につながります。

車検の点検項目である“ブローバイ・ガス還元装置の点検”は、「この点検どうやるの?」という話になることが多いです。
この点検は、PCVバルブの作動に異常がないかを見ていきますが、PCVバルブの作動が分かっていないと点検自体が理解できません。

No.11

【問題】
レシプロ・エンジンのピストンを挿入するときに使用する工具の問題です。
正しい選択肢を選びます。

(1)、(2)、(3)、(4)について

【コンビネーション・プライヤ】
支点の穴を変えることによって、口の開きを大小二段にできるので、使用範囲が広いプライヤ。

【ピストン・リング・リプレーサ】
ピストン・リングを脱着するときに使用する。

【シリンダ・ゲージ】
シリンダの摩耗量などの測定に使用。
ダイヤル・ゲージを応用した測定器で、ダイヤル・ゲージに専用のリンク装置を取り付けて使う。

【ピストン・リング・コンプレッサ】
ピストン・リングを取り付けたあと、ピストンをシリンダへ挿入するときにリングを圧縮して広がらないようにする工具。

ポイント

ピストン・リングをピストンのリング溝から脱着するときには、リングを広げる必要があります。
手で広げようとするとリングが折れてしまうこともあり、ピストン・リング・リプレーサは、ピストン・リングを広げるためのものです。

ピストン・リングには外側に張る力があります。
これは、リングの“張り”といわれるもので、張りがあるからリングはシリンダに密着することができます。

そのため、ピストンにリングを付けた状態でシリンダへ挿入しようとしても、リングが引っかかってしまい入りません。

そこで、ピストン・リング・コンプレッサでリングを圧縮した状態にし、ハンマの柄でピストンを押し込みながらシリンダへ挿入していきます。

【正解】(4)

【hanabiの現場メモ】

用途に応じた適切な工具を使うことが部品を壊さないことにつながるので、「直すつもりが壊してしまう」ことのないよう工具の知識も持っておきたいものです。

しかし、専用工具は使用頻度が少ない割に高額なものが多く、代用できるものがあれば専用工具以外でも問題ないこともあるため、大切なのは「何をするのか?」「専用工具じゃないとできないのか?」を考え、判断する習慣を付けておくことだと思います。

No.12

【問題】
スタータに関する問題です。
正しい記述を選択します。

(1)オーバランニング・クラッチの働きに関する記述
(2)リダクション式の構造に関する記述
(3)リダクション式の利点に関する記述
(4)モータのフィールドの構造に関する記述

直結式は名前のとおり、モータの回転がそのままピニオンに伝わるタイプ。

一方、リダクション=減速のことで、減速機構を設け、モータの回転数を減速することでピニオンの回転力(トルク)を上げています。


仮に直結式とリダクション式が同じモータである場合、リダクション式の方が回転力が大きくなるため、「小さいモータでも回転力が確保できる」ことになり、モータを小型軽量化することができます。

オーバラン・クラッチ

オーバラン・クラッチにはワンウェイ・クラッチが使われていて、一方向は回転、逆方向にはロックするようになっています。

自転車のペダルのようなイメージで、ペダルが前回転のときには力を伝え、後回転ではフリーになることで力を伝えないようにします。

アーマチュアの回転をエンジンに伝えるときにはクラッチがロック方向になり、エンジンが始動するとエンジン側からアーマチュアが回されないよう、クラッチがフリーになることでアーマチュアの破損を防ぎます。

(1)について

オーバラン・クラッチは逆転防止のワンウェイ・クラッチです。

(2)について

リダクション=減速。
回転数を減速することで回転力を上げています。

(3)について

減速機構を設けることで回転力が上がるため、小型モータでも強い力になります。

(4)について

アーマチュア・コイルはフィールドの中で回転しています。
そのため、フィールドの構成部品ではありません。

【正解】(3)

【hanabiの現場メモ】

減速機構は自転車のギヤと同じで、出力側の回転数を落として回転力を上げています。
トランスミッションやその他のギヤにもよく使われているため、今後の基礎になる考え方ですし、細かい構造を知ることで説明にも説得力が増し、お客様からの信頼にもつながると思います。

No.13

【問題】
水冷・加圧式の冷却装置に関する問題です。
正しい記述を選択します。

(1)ジグル・バルブの作動に関する記述
(2)冷却水の性能に関する記述
(3)ラジエータの構造に関する記述
(4)サーモスタットの取り付け位置に関する記述

水冷・加圧式の冷却装置

冷却装置には「水冷式」と「空冷式」があり、自動車には一般的に水冷式が使われています。

水冷式は、冷却水を循環することでエンジンを適温に保っており、冷却水には機能性を向上させるため、様々な添加剤が使われています。

また、エンジンが冷えているときは早く適温にするため、サーモスタットを使って循環経路を変えることで一時的に冷却を止めています。

冷却装置
サーモスタットの機能

サーモスタットは常に冷却水にさらされており、規定の温度までは閉じています。中にはワックスが入っており、規定の温度になるとワックスが膨張し、サーモスタットが開いて冷却水が通っていけるようになります。

サーモスタットが開く規定の温度は、サーモスタットによって「〇〇℃」と設定されています。

【冷間時】
サーモスタットが閉じて、冷却水はエンジン内部のみを循環します。

【暖機後】
サーモスタットが開くことで、ラジエータを通り冷やされた冷却水がエンジン内を循環するようになります。

サーモスタットには“ジグル・バルブ”が付いているものがあり、ジグル・バルブは、冷却系統のエア抜きを容易にする働きがあります。

(1)について

ジグル・バルブの取り付いている小さい穴は、冷却系統内に空気が残っていない場合は閉じています。

(2)について

冷却水は水と不凍液を混合したもので、錆や劣化を防ぐために様々な添加剤が含まれています。

(3)について

ラジエータ・コアはアルミニウム合金で作られており、アッパー・タンクとロアー・タンクは軽量な樹脂で作られています。

(4)について

サーモスタットはラジエータ内ではなく、一般的にはロアー・ホースとエンジンの接続部に取り付いています

【正解】(1)

【hanabiの現場メモ】

サーモスタットは、オーバーヒートの原因になることが多い部品です。
経年劣化により閉じたままになることで、冷却水が循環できなくなるためオーバーヒートへつながります。

また、ラジエータの劣化による水漏れについては、車両によって定められた時期に行う定期点検のときに点検するようになっています。

冷却水は人間でいう水分。
熱中症にならないよう、構成部品の点検と構造理解が重要です。

No.14

【問題】
インジェクタの構成部品問題です。
間違っているものを選択します。

(1)、(2)、(3)、(4)共通

インジェクタは燃料を噴射する部品で、水道でいう蛇口の役割をしています。

インジェクタには「電磁石」が使われており、内部のコイルに電気を流すと発生した磁力によってニードルバルブが開きます。
燃料ポンプによって送られた燃料はインジェクタが開くことで噴射されます。

つまり、コイルに通電した時間だけ燃料が噴射され、通電を止めるとスプリング力によってバルブは閉まり噴射が終わります。

【正解】(4)

【hanabiの現場メモ】

エンジン不調の原因として「インジェクタの汚れ」によるものがあります。
症状が出るものの多くは走行距離が10万kmを超えた車で、使用過程においてインジェクタの先端に汚れが溜まり、燃料をしっかり噴射できなくなることによって燃焼不良を起こします。

エンジン不調の点検時には、可燃性のガス(ルーセンやCRC)をインテーク・マニホールドから吸入させ、エンジンの回転が一時的に良くなるようであれば燃料が原因である可能性が高いと判断できます。

インジェクタの汚れの場合は、部品を交換しなくても清掃で改善することが多いです。

No.15

【問題】
点火装置のイグニション・コイルに関する問題です。
正しい記述を選択します。

(1)内部構造に関する記述
(2)一次コイルと二次コイルの違いに関する記述
(3)一次コイルと二次コイルの違いに関する記述
(4)電気の流れに関する記述

点火装置に使われているイグニション・コイルは「昇圧部品」で、12Vのバッテリ電圧を瞬間的に数万Vまで昇圧させます。

昇圧には一次コイル二次コイルが使われます。
一次コイルに流した電流を昇圧させたいタイミングで止めることで、一次コイルに数百Vの電圧が発生、さらに、一次コイルよりも巻数が多い二次コイルには数万Vの電圧が発生します。

電気の流れを止めるために使われる部品は「イグナイタ」で、イグナイタの役割はスイッチです。

各部品の働きで発生した高電圧を、スパーク・プラグへ送り火花を飛ばしています。

(1)について

高電圧を発生しやすくするために、一次コイルと二次コイルは鉄心に巻かれています。

(2)について

一次コイルよりも巻数の多い二次コイルは、一次コイルよりも細い銅線が使われます。

(3)について

銅線は、一次コイルよりも二次コイルの方が多く(約100倍)巻かれています。

(4)について

高電圧が発生するのは、一次コイルへの電流を止めたときです。

【正解】(1)

【hanabiの現場メモ】

従来、一つのイグニション・コイルとイグナイタですべての気筒の火花を作っていましたが、現在はイグニション・コイルとイグナイタが各気筒に取り付く「ダイレクト・イグニション・コイル」が主流です。

気筒の数だけイグニション・コイルとイグナイタがあるため、高回転時にも安定した火花の生成ができるようになった一方で、構造上、単体点検ができなくなりました。

エンジン不調時の点火系の点検では、隣の気筒のイグニション・コイルと入れ替えて症状の変化を見る手法が有効になる場合が多くあります。

点検の方法は変わっても、内蔵されている構成部品の基本は大きく変わっていないため、基礎をしっかり覚えておくことで、点検や診断に対する理解力に差が出ます。

No.16~30

No.16

【問題】
充電装置のオルタネータに関する問題です。
正しい記述を選択します。

(1)ステータの構造に関する記述
(2)異常検知に関する記述
(3)起電力と巻線の数に関する記述
(4)ロータ・コアの磁化に関する記述

(1)について

スリップ・リングは、ロータ・コイルに電気を流すための入口と出口に当たる部分なので、ステータの構成部品ではありません。

(2)について

ロータ・コイルが断線すると、ICに入力される電流が変化することで検出可能です。

(3)について

起電力はコイルの巻数に比例するため、「多くなると大きくなる」で覚えましょう。

(4)について

ロータは電磁石。ロータ・コイルに電流を流すことでロータ・コアが磁化されます。

【正解】(4)

【hanabiの現場メモ】

作業の基本として、オルタネータやB端子を取り外すときにはバッテリの端子を外す必要があります。
B端子はバッテリと物理的につながっているので、バッテリを外さずに作業を進めると、B端子がボディに接触したときにショート(短絡)してしまうためです。

しかし、最近の自動車はバッテリの端子を外すと多くのメモリがクリアされてしまい、再接続時の設定作業に手間がかかります。
そのため、現場ではB端子にテープを巻くなどしてショートしないよう安全対策をしながら、バッテリを外さずに作業することもあります。

No.17

【問題】
電子制御装置に関する問題です。
間違っている記述を選択します。

(1)くら型フューエル・タンクの構造に関する記述
(2)燃料が送られる経路に関する記述
(3)インジェクタの噴射制御に関する記述
(4)チャコール・キャニスタの機能に関する記述

くら型のフューエル・タンクとはFR車に使われているタンク形状のことで、後輪を駆動するためのプロペラ・シャフトをかわす目的から、タンクの真ん中が大きくえぐられた形状をしています。

燃料は左右に分かれた部屋(メーンとサブ)に入っており、燃料ポンプだけだと二つの部屋から燃料を圧送できないため、メーン室に電気式の燃料ポンプと負圧式のジェット・ポンプを設け、ジェット・ポンプの作用によってサブ室からメーン室に燃料を吸い上げています

(1)について

サブ室からメーン室へ燃料を送るために負圧式のジェット・ポンプが付いています。

(2)について

フューエル・タンク→フューエル・ポンプで吸入・吐出→インジェクタで噴射の流れです。

(3)について

インジェクタの噴射時間で制御しているのは燃料噴射量です。
燃圧はプレッシャ・レギュレータで調整しています。

(4)について

チャコール・キャニスタは燃料蒸発ガス排出抑止装置の構成部品で、フューエル・タンク内の燃料が蒸発したガスを大気に放出しないようにするための装置です。

【正解】(3)

【hanabiの現場メモ】

くら型のフューエル・タンクには、サブ室とメーン室両方に電気式の燃料ポンプを設けている車両もあります。
3級の教科書にはジェット・ポンプ式のタイプが記載されているため、試験問題も同じ内容で出てきます。

トラブル診断時には、スキャンツールでエンジンECUのデータを確認することが多く、燃料噴射時間を点検する機会も多いです。

千分の何秒という単位で表されるデータですが、正常な噴射時間との比較で診断を進めていけることもあるため、「噴射量=噴射時間」の基礎理解は重要です。

No.18

【問題】
オルタネータの構成部品に関する問題です。
正しい部品名を選択します。

(1)、(2)、(3)、(4)共通

それぞれの役割

【ブラシ】
バッテリの電気をロータ・コイルに伝える。

【ステータ・コア】
磁化されたロータ・コイルの回転によって電気を発生させるステータの構成部品。

【トランジスタ】
電気的なスイッチなどに使われる半導体。

【レクチファイヤ(ダイオード)】
ダイオードは一方向にしか電気を流さない半導体。

三相交流の整流

交流を直流にするにはダイオードを使います。
ダイオードは一方向にしか電気を流さない特性がありますが、ダイオードが1つだけだと交流のうちの半分だけしか整流できない(半波整流)ので、1つの交流を全波整流するためにはダイオードが2つ必要です。

オルタネータには3つの交流(三相交流)が発生しているため、直流にするのに必要なダイオードの数は全部で6つです。

【正解】(4)

【hanabiの現場メモ】

走行距離が10万kmを超えてくると、オルタネータの不具合によって発電しなくなることがあります。

トラブルの原因で多いのは「ブラシの摩耗」や「ベアリング不良」です。

ブラシはバッテリの電気をロータ・コイルへ伝えていますが、使っていくうちに摩耗していきます。
ブラシが摩耗して無くなることで発電ができなくなる流れです。

もう一つのベアリング不良の場合は、エンジンをかけると「ゴォー」と音がするようになります。
オルタネータは、補機駆動ベルトによってエンジンから回されていますが、ベルトがかかる部分にベアリングが入っています。

ベアリングの内部が悪くなることで回転時に異音を発生させ、きれいに回らなくなった結果、発電不良に至ります。

No.19

【問題】
スパーク・プラグに関する問題です。
間違っている記述を選択します。

(1)、(2)、(3)、(4)共通

覚え方のポイント

熱価=放熱する度合いのこと。
“熱のこもりやすさ”と勘違いしないよう注意。

高熱価=放熱度合いが高い。(よく放熱する)
低熱価=放熱度合いが低い。(あまり放熱しない)

熱価の呼び名は3種類あり、問題によって使われることがある。
高熱価=コールド・タイプ=冷え型
低熱価=ホット・タイプ=焼け型

語呂で覚える。
「ホ テイ サンハ ナガイ」=ホット 低熱価 碍子脚部長い
低熱価を覚えておけば、高熱価にも対応できる。

ハウジング、絶縁碍子、電極などで構成されている。

【正解】(2)

【hanabiの現場メモ】

以前、エンジン不調の車両でスパーク・プラグが原因だったことがありました。

その車はエンジン不調で入庫し、ユーザー自身で「スパーク・プラグは新品に交換した」とのことだったため、プラグ以外の点検を進めましたが原因解明に至らず、「交換した」と言われていたスパーク・プラグを交換してみると不具合は解消しました。

ユーザーが交換していたスパーク・プラグはたしかに新品でしたが、プラグを目の前に持って正面からよく見ると、すべてのプラグが目に見えるレベルでフニャっと曲がっていました。

入手した経緯をユーザーへ確認すると、相場よりも相当安価にネットで購入したものでした。
大手メーカーのものだったため一時はスルーしましたが、ネット上では不良品のロット売りが安価に出回っていることもあるらしいので、部品を購入するときは注意しましょう!

No.20

【問題】
半導体に関する問題です。
間違っている記述を選択します。

(1)負特性サーミスタの特性に関する記述
(2)P型半導体の構成に関する記述
(3)ツェナ・ダイオードの用途に関する記述
(4)ダイオードの用途に関する記述

【半導体】
電気を通しやすい「導体」と電気を通さない「不導体」の中間に位置するもので、条件によって電気を流す特性がある。

【半導体の種類】
半導体には、シリコンやゲルマニウムなどの「真性半導体」と、それらのものに他の原子を少量加えた「不純物半導体」がある。

【P型半導体とN型半導体】
Pはポジティブ、Nはネガティブの頭文字で、P型は「正孔」が多く、N型は「自由電子」が多くなるように作られた不純物半導体。

(1)について

サーミスタには「負特性」と「正特性」があり、負特性のものは温度が上がると抵抗値が下がる特性があります。

(2)について

P型もN型も「不純物半導体」です。
P型=正孔、N型=自由電子で覚えましょう。

(3)について

ツェナ・ダイオードは、逆方向であっても一定の電圧を超えると電気を流します。
一定の電圧とはツェナ・ダイオードごとに定められており、2Vや5Vなど0.5V刻みで設定され、ツェナ電圧と呼ばれます。
用途に合わせたツェナ電圧のダイオードが回路に組まれています。

(4)について

直流を交流に変換」という引っかけ問題もあるので注意しましょう。

【正解】(2)

【hanabiの現場メモ】

自動車に使われるサーミスタは、「負特性」のものが多い傾向ですが、パワー・ウインドーやドアロックの回路には「正特性」のサーミスタが使われています。

パワー・ウインドーやドアロックを何度も操作すると、一定の時間操作不能になります。これは正特性サーミスタの効果によるものです。

モータ回路と直列にサーミスタを組み、連続操作による大量の電流によって温度が上がり抵抗値が上がります。
最終的には、サーミスタの方がモータよりも抵抗値が大きくなり、モータを作動させることができなくなります。

電気を流さない状態がしばらく続くと、温度が下がり抵抗値が下がることで正常作動に戻るという流れです。

半導体はつかみどころのない分野ですが、このように身近な装置とつなげて覚えると分かりやすいかもしれません。

No.21

【問題】
非鉄金属に関する問題です。
正しい記述を選択します。

(1)ケルメットに関する記述
(2)青銅に関する記述
(3)アルミニウムに関する記述
(4)黄銅(真ちゅう)に関する記述

(1)、(2)、(3)、(4)共通

覚えるしかない系の問題

ケルメットは銅に鉛を加えたもので、軸受合金として使用されている。

青銅は銅に錫(すず)を加えた合金。

アルミニウムは比重が鉄の約三分の一と軽く、線膨張係数は鉄の約2倍

黄銅は銅に亜鉛を加えた合金で加工性に優れている。

覚え方のポイント

青銅=さ行で覚える。青銅の「せ」と錫の「す」。

黄銅=あ行で覚える。黄銅の「お」と亜鉛の「あ」。

アルミニウムのキーワードは「軽い」。
線膨張係数とは「熱を受けたときに伸びやすい率」のこと。

【正解】(2)

No.22

【問題】
電気回路の計算問題です。
正しい答えを選びます。

(1)、(2)、(3)、(4)共通

解き方

この回路は、直列回路と並列回路の組み合わせになっているので、まずは並列回路の合成抵抗を計算します。

並列回路の抵抗は6Ωと4Ωの2つなので、
(6×4)÷(6+4)
=24÷10
2.4Ω…並列回路の合成抵抗

問題文に「回路に流れている電流は3A」とあるので、オームの法則を使い回路全体の抵抗値を計算します。

12V÷3A=4Ω…回路全体の合成抵抗

回路全体の抵抗から並列回路の抵抗を引いてあげれば「R」の抵抗値が分かりますので、計算すると4Ωー2.4Ω=1.6Ω

【正解】(1)

覚え方のポイント

直列回路と並列回路の合成抵抗の計算方法が基本になります。

直列回路は、回路の抵抗値を足していくだけですが、並列回路は計算が必要です。
上図を参考に簡単な計算方法を覚えておきましょう。

No.23

【問題】
ドライバの種類と特徴に関する問題です。
間違っている記述を選択します。

(1)普通型の構造に関する記述
(2)角軸型の構造に関する記述
(3)スタッビ型の特徴に関する記述
(4)ショック・ドライバの特徴に関する記述

ドライバの種類と構造

【普通型】
軸が柄の途中まで入っており、柄は木またはプラスチックで作られる。

【角軸型】
軸が四角形で大きな力に耐えられるようになっており、軸にレンチなどを掛けて使用することもできる。

【スタッビ型】
短いドライバだが、柄が太く強い力を与えることができ、狭い場所の使用に便利。

【ショック・ドライバ】
ねじ類を強い力で緩めるときに使用する。
回転させる方向に力を加えた状態で、柄の部分を握ってハンマでたたくことによって、刃先に急激な回転力を与える構造になっている。

【貫通型】
外観は普通型と同じだが、軸が柄の中を貫通しているため頑丈である。

【オートマティック・ドライバ】
柄を押すだけで刃先を回転させることができる能率的なもの。

【正解】(2)

【hanabiの現場メモ】

現場で触るのは普段走っている車たちなので、サビや固着などの要因によって簡単には外れないものが多いです。

ラスペネなどの潤滑剤を使いながら何とか外していく作業の中で、強い力が必要になることは非常に多く、この工具の特徴や使い方の理解は重要です。

ショック・ドライバのポイントは「回転させたい方向に力を加えておく」こと。ただ衝撃を与えるだけだと、ねじ山がなめてしまい外れなくなってしまいます。

No.24

【問題】
鉛バッテリの充・放電に関する問題です。
正しい記述を選択します。

(1)、(2)、(3)、(4)共通

覚え方のポイント

【バッテリの構造】
バッテリは化学反応によって電気を作っています。
バッテリには、希硫酸の電解液(バッテリ液)が入っており、希硫酸とは硫酸と蒸留水を混ぜたものです。
プラスターミナルとマイナスターミナルは、プラスは正極板・マイナスは負極板につながっています。

【充電状態と放電時で変化する極板と電解液】
充電状態の正極板は「二酸化鉛」・負極板は「海綿状鉛」で、放電時は両極板とも「硫酸鉛」電解液は水になります。

放電時は、電解液の硫酸分が極板にくっつき、化学反応を起こすことで電気を作っています。
そのため、両極板はどちらも硫酸鉛になり、電解液からは硫酸分が抜けて水になるということです。

【正解】(3)

【hanabiの現場メモ】

バッテリは「徐々に悪くなる」から「突然死」へ変化しています。

一昔前のバッテリは、エンジンのかかりが悪くなってきたりヘッド・ライトが暗くなってきたりと、バッテリが弱っている前兆が確認できることが多かったですが、現在のバッテリは「買物に行って帰ろうとしたらバッテリがあがっている」や「前兆はまったく感じず、突然エンジンがかからなくなった」ということが多いです。

最後のぎりぎりまで頑張る特性に変わってきているため、バッテリは予防交換が重要。
一般的には「3年ごと」の交換、または「4年(車検2回に1回)」の交換サイクルで交換していくと安心でしょう。

No.25

【問題】
グリースの種類と特徴に関する問題です。
正しい記述を選択します。

(1)カルシウム石けんグリースに関する記述
(2)グリースの特徴に関する記述
(3)石けん系グリースの種類に関する記述
(4)リチウム石けんグリースの特徴に関する記述

(1)、(2)、(3)、(4)共通

【グリース】
原料基油に増ちょう剤を混合して作ったもの。
常温では半固体状で、潤滑部が作動し始めると摩擦熱で徐々に柔らかくなり、摩擦面に油膜をつくるなど潤滑油として働き、作動が止まって常温になるとものと半固体状に戻る。

【カルシウム石けんグリース】
ウォータ・ポンプなどに用いられ、耐水性に優れていることが第一条件で、
冷却水の温度が高くなっても流失しないことも要求される。

【リチウム石けんグリース】
オルタネータのベアリングなどに使用され、耐熱性と機械的安定性が高く、高速回転に適した粘度の低い鉱物油を使用。
耐水性、耐寒性にも優れていることから、マルチパーパス・グリースとも呼ばれる。

【正解】(4)

【hanabiの現場メモ】

グリースは、ベアリングやジョイント部などに欠かせないもので、液状のオイルでは都合が悪い部分に使われます。
マルチパーパス・グリースは、頭文字をとってMPグリースと表記され、足回りの整備時に多用されています。

グリースによって特徴が異なるため性質を理解し、整備する場所によって使い分けていきましょう。

No.26

【問題】
排気量の計算問題です。
正しい選択肢を選びます。

(1)、(2)、(3)、(4)共通

覚え方のポイント

シリンダは円柱の形をしています。
円柱の体積は「半径×半径×3.14(円周率)×高さ」で計算できるので、排気量を求めるときには円柱の体積を計算すればOKです。

実際のエンジン諸元をもとに作られている問題文では、それぞれの数値がmm表記になっているため、計算するときにcmに換算しておくことが重要です。これを後回しにすると計算間違いの原因になります。

計算式

65mmを6.5cmにして、半分(半径)にします。
同様に「高さ」の84mmも8.4cmとして計算します。

3.25×3.25×3.14×8.4=278.6
小数点以下切り捨ての指示があるため、解答は278㎤となります。

【正解】(1)

No.27

【問題】
ローリング・ベアリングの種類に関する問題です。
間違っている選択肢を選びます。

(1)、(2)、(3)、(4)共通

暗記タイプの問題

ベアリングには「ラジアル」「スラスト」「アンギュラ」の3種類があり、それぞれ受けることのできる荷重が異なることから、使用箇所によって使い分けられています。

【ラジアル・ベアリング】
ラジアル方向の荷重を受ける。
ボール型、ニードル・ローラ型(針状)、シリンドリカル・ローラ型(円筒状)などがあり、トランスミッションなどに使われる。

【スラスト・ベアリング】
スラスト方向の荷重を受ける。
ボール型、ニードル・ローラ型などがあり、トランスミッションなどに使われる。

【アンギュラ・ベアリング】
ラジアル・スラスト両方の荷重を受ける。
ボール型、テーパ・ローラ型(円すい状)などがあり、アクスル、ディファレンシャル、ステアリングなどに使われる。

覚え方のポイント

シリンドリカル・ローラ型はラジアル・ベアリングのみ。
テーパ・ローラ型はアンギュラ・ベアリングのみ。

この2点を押さえておきましょう!

【正解】(2)

No.28

【問題】
普通自動車特定整備事業の対象車に関する問題です。
間違っている選択肢を選びます。

(1)、(2)、(3)、(4)共通

特定整備とは?

分解整備および電子制御装置整備に該当する整備のこと。

  1. 原動機の取り外し
  2. 動力伝達装置のクラッチ(二輪小型自動車のクラッチを除く)、トランスミッション、プロペラ・シャフト、ディファレンシャルの取り外し
  3. 走行装置のフロント・アクスル、前輪独立懸架装置(ストラット除く)、リア・アクスル・シャフトの取り外し(二輪小型自動車を除く)
  4. かじ取り装置のギヤ・ボックス、リンク装置の連結部、かじ取りホークの取り外し
  5. 制動装置のマスタ・シリンダ、バルブ類、ホース、パイプ、倍力装置、ブレーキ・チャンバ、ブレーキ・ドラム(二輪小型自動車のブレーキ・ドラムを除く)、ディスク・ブレーキのキャリパの取り外し、二輪小型自動車のブレーキ・シューの取り外し
  6. 緩衝装置のシャシばね(コイルばね、トーションバー・スプリングを除く)の取り外し
  7. 牽引自動車、被牽引自動車の連結装置(トレーラ・ヒッチ、ボール・カプラを除く)の取り外し
  8. 運行補助装置の取り外し
  9. 自動運行装置の取り外し

この9項目は「走る、曲がる、止まる」に直結する重要な整備です。

該当する作業を行う場合は、設備や整備士保有状況など一定基準以上をクリアして、国から認証を受けなければいけません。
この基準をクリアした工場を「認証工場=特定整備事業者」と呼びます。

自動車の種別

自動車整備の根拠法である道路運送車両法では、自動車を大きさや排気量によって5つの種別に分けています。

  1. 普通自動車
  2. 小型自動車
  3. 軽自動車
  4. 大型特殊自動車
  5. 小型特殊自動車
特定整備事業の種類

特定整備の認証を受けるためには、工場の間口や奥行きなど一定以上である必要がありますが、整備工場によってはトラックやバスを整備する工場や乗用車だけを整備する工場、軽自動車や二輪車だけを整備する工場など様々な業態があります。

基準が一律だと必要以上のサイズの工場が必要になってしまい、事業者の負担になってしまうため、工場ごとに扱う自動車を選択できるようにされています。
それぞれ扱える自動車の種別は以下です。

【普通自動車特定整備事業】
普通自動車、四輪の小型自動車、大型特殊自動車
【小型自動車特定整備事業】
小型自動車、検査対象軽自動車
【軽自動車特定整備事業】
検査対象軽自動車

特定整備事業の種類ごとに扱える自動車の種別を下図で表しています。

軽自動車や二輪車専門の工場ではない一般の自動車整備工場では、「普通自動車特定整備事業」と「小型自動車特定整備事業」の2つを取得していることが最も多いです。

補足

普通自動車特定整備事業の中には「大型・中型・小型・乗用」が、小型自動車特定整備事業の中にも「四輪・三輪・二輪」の区分があり、整備工場で扱う種別に応じた工場のサイズや認証工具を選択することができます。

【正解】(4)

No.29

【問題】
自動車の尾灯の基準に関する問題です。
正しい選択肢を選びます。

(1)、(2)、(3)、(4)共通

尾灯の基準

尾灯はテールランプのことです。

テールランプは暗くなってから使うものなので、昼間か夜間については「夜間」になり、色は赤色、「後方300m」から点灯確認できるもの。

後方300mは覚えるしかありません!

【正解】(3)

【hanabiの現場メモ】

色や視認距離も重要ですが、現場ではそれよりも「レンズ面の破損」やリフトアップ、ローダウンによる取り付け高さの基準を満たしているかの判断をすることが多いです。

テールレンズをぶつけて割れてしまっても、そのまま乗り続けているユーザーは一定数存在します。

灯器の損傷や取り付け基準も条文で示されているため、保安基準違反の見落としがないよう注意です。

No.30

【問題】
燃料タンクの注入口およびガス抜き口の基準に関する問題です。
正しい選択肢を選びます。

(1)、(2)、(3)、(4)共通

燃料タンクの注入口やガス抜き口は引火の危険性が高いため、バッテリなどの露出した電気端子や電気開閉器からは、「200mm以上」離れていないといけません。

【正解】(2)

ABOUT ME
hanabi
2級自動車整備士の資格を取得後、整備技術のアドバイザーとして15年間従事。同時に一級整備士指導員・整備士を対象とした国家試験対策講習会・整備技術研修会の講師として活動し、現在は中古車販売店で整備士をしています。
これまでの経験を活かし、自動車整備士の国家試験問題に対する “簡単な解き方や分かりやすい覚え方” を盛り込んだ解説をしています。
これから資格取得を目指す人のため、『どこよりも丁寧で分かりやすい解説』を目指しているブログです!
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