【3級ガソリン】令和7年度第1回 実施日:令和7年10月5日
分かりやすくお伝えするため、要約により構成しています。
覚えやすさを優先しているため、独自の解釈があったり言葉足らずの部分もあるかと思いますが、試験に合格することを第一の目標としているためご理解ください。
正式な試験問題と解答は、日本自動車整備振興会連合会のホームぺージよりご確認ください。
No.1~15
No.1
【問題】
エンジンの燃焼および排出ガスに関する問題です。
間違っている記述を選択します。
(1)シリンダ内の構成・特徴に関する記述
(2)燃料蒸発ガスの成分に関する記述
(3)ブローバイ・ガスの発生に関する記述
(4)混合気の空燃比に関する記述

空燃比とは、空気とガソリンの割合のこと。
燃料を完全燃焼させるのに理想とされる理論空燃比は、14.7:1(空気:ガソリン)と言われています。
一方、最適な空燃比(混合割合)は、運転状況や燃焼状態で大きく変わるため、理論空燃比に対して“濃い・薄い”空燃比に調整されます。
始動時・高負荷時:濃い空燃比(5:1や7:1など)
低負荷時:薄い空燃比(16:1や20:1など)
ガソリン・エンジン自動車から排出される有害ガスは、主に“ブローバイ・ガス”、“燃料蒸発ガス”、“排気ガス”の3つ。
【ブローバイ・ガス(吹き抜けガス)】
燃焼室からピストンとシリンダ壁の隙間を通ってクランク・ケース内に吹き抜けた未燃焼ガス。
主成分はガソリンの成分であるHCです。
【燃料蒸発ガス】
燃料タンクなどの燃料装置から燃料が蒸発し、大気中に放出されるガス。
これも主成分はHCです。
【排気ガス】
燃焼したあと、マフラーから排出されるガス。
大部分が人体に無害なものですが、一部有害な成分を含んでいます。
[無害]
CO2:二酸化炭素、H2O:水、N2:窒素
[有害]
CO:一酸化炭素、HC:炭化水素、Nox:窒素酸化物
(1)について
シリンダ内の燃焼圧力は燃焼開始後上昇し、ピストンが上死点から下がり始めた直後が最大になります。
(2)について
燃料タンク内で燃料が蒸発したガスのことで、ガス成分はガソリンの主成分のHCです。
(3)について
ブローバイ・ガスは吹き抜けガスのことで、ピストンとシリンダ壁の隙間を抜けていきます。
ガス成分は、ガソリンの主成分のHCです。
(4)について
エンジン始動時は、とにかく一発でエンジンをかけるため、濃い空燃比になります。
空燃比の問題は多いので、濃い・薄いを理解しましょう。
ポイントは『理論空燃比に対して』です。
HCはガソリンそのもの。COは燃焼時の酸素不足で発生します。
有害ガスの発生要因を理解しておくと間違えません。
【正解】(1)
空燃比のずれによるエンジントラブルは数多くあります。
試験の問題ではありますが、この空燃比の理解が基礎になって整備へとつながっていきますので、しっかりと覚えておきましょう。
No.2
【問題】
インテーク・マニホールド、エキゾースト・マニホールドに関する問題です。
正しい記述を選択します。
(1)エキマニの取り付け位置に関する記述
(2)エキマニの構造に関する記述
(3)インマニ構造の工夫に関する記述
(4)インマニの材質に関する記述

【体積効率】
吸入した混合気を100%シリンダへ送ることができれば、体積効率は1となりますが、実際のエンジンではスロットル・バルブ、インテーク・バルブによる抵抗や、インテーク・マニホールドの形状(カーブがきついと抵抗多い)により、体積効率は0.8程度です。
その体積効率を上げるために、インテーク・マニホールドの形状を見直したり、吸気ポートを研磨したりと、吸気抵抗を減らす工夫がされています。
(1)について
インテーク・マニホールドやエキゾースト・マニホールドは、インテーク・バルブやエキゾースト・バルブのあるシリンダ・ヘッドに取り付きます。
(2)について
サージ・タンクとは空気を溜めておく場所のことで、吸入した空気を一時的に蓄えておき、各シリンダへ均等に分配するために設けられています。
そのため、サージ・タンクはインテーク・マニホールドと一体になっているものがあります。
(3)について
吸気抵抗を下げることで混合気がスムーズに流れるようになり、各シリンダの体積効率を上げることができます。
(4)について
エキゾースト・マニホールドと比較して低温であるインテーク・マニホールドには、アルミニウム合金のほかに、軽量な樹脂製のものも使われています。
【正解】(4)
吸気抵抗を減らす(体積効率を上げる)ということ一つをとっても、可変吸気のマニホールドやスロットル・バルブを廃止したバルブ・マチック、ターボ・チャージャなど、多くの装置があります。
整備をしていく中で、この装置の目的なに?ということが多く出てくると思います。
問題に出た吸気抵抗や体積効率の理解によって、新しい装置や新機構の早期理解が期待でき、その結果、車全体の理解度向上へとつながっていきます。
No.3
【問題】
クランクシャフト軸方向の遊びの測定工具に関する問題です。
正しい選択肢を選びます。
(1)プラスチ・ゲージ
(2)ダイヤル・ゲージ
(3)キャリパ・ゲージ
(4)コンプレッション・ゲージ
(1)について
プラスチック・ゲージを略したプラスチ・ゲージ。
コンロッド・ベアリングのオイル・クリアランスを測定するための工具で、コンロッド・キャップとクランク・ピンの間にプラスチ・ゲージを挟み規定トルクで締めつけたあと、コンロッド・キャップを取り外し、つぶれたゲージを付属の袋の目盛りで読み取ります。
(2)について
ゲージ先端の伸縮により、0.01mmまで読み取り可能な測定工具。
クランクシャフト軸方向の遊びやカムシャフトの回転振れなどに使用します。
ダイヤル・ゲージに専用のロッドを取り付けることで、シリンダの内径を測定するためのシリンダ・ゲージとして使用することもあります。
(3)について
バルブ・ガイドなど、小径の部品の内径を測定するための工具で、目盛り盤がダイヤル・ゲージと似ているため、間違えないように注意しましょう。
(4)について
エンジンの圧縮圧力を測定するための工具です。
コンプレッション=圧縮。
ゲージの名前で役割を覚えておきましょう。
【正解】(2)
測定工具の中にはエンジンを分解したときにしか使わないものもありますので、作業内容によっては使わないこともあると思いますが、頻繁に使う工具も多くあります。
例えば、エンジン不調の車を点検するときに、コンプレッション・ゲージの使い方がよく分かっていないと、エンジンの回転だけで「圧縮圧力は大丈夫だろう」と安易に判断してしまい、散々回り道をした結果、圧縮圧力の低下が原因だったこともあります。
工具の種類や使い方を理解することで早期解決へつながるケースがありますので、しっかりと覚えておきましょう。
No.4
【問題】
トロコイド式オイル・ポンプに関する問題です。
間違っている記述を選択します。
(1)各ロータの組み付け状態に関する記述
(2)サイド・クリアランスに関する記述
(3)各ロータの作動に関する記述
(4)チップ・クリアランスに関する記述
オイル・ポンプの良否を判断するために、3つのクリアランス(隙間)測定があります。
クリアランス測定にはシックネス・ゲージを使い、サイド・クリアランス測定では、シックネス・ゲージとストレート・エッジ(真っすぐな金属)を使います。
【チップ・クリアランス】
アウタ・ロータの山とインナ・ロータの山との隙間。
限度を超えている場合は、アウタ・ロータとインナ・ロータを組で交換。
【ボデー・クリアランス】
ポンプ・ボデーとアウタ・ロータとの隙間。
限度を超えている場合は、ポンプ・ボデー、アウタ・ロータ、インナ・ロータを組で交換。
【サイド・クリアランス】
ロータとカバー取り付け面との隙間。
限度を超えている場合は、ポンプ・ボデー、アウタ・ロータ、インナ・ロータを組で交換。

(1)について
インナ・ロータよりもアウタ・ロータの歯数の方が多く、インナ・ロータ中心とアウタ・ロータ中心位置は異なります。
中心の異なりを偏心と言い、この偏心によってオイルの圧送ができるようになっています。
(2)について
各クリアランスを上図で押さえておきましょう。
(3)について
クランクシャフトによりインナ・ロータが駆動され、インナ・ロータによってアウタ・ロータが回されます。
2つのロータの回転方向は同一です。
(4)について
各クリアランスを上図で押さえておきましょう。
各クリアランスの測定箇所と限度を超えていた場合の交換部分。
チップ・クリアランスはロータのみ。
ボデーとサイドはボデーとロータを全交換になります。
インナ・ロータが駆動、アウタ・ロータが受動で、回転方向は同一です。
【正解】(3)
オイル・ポンプのクリアランス測定の機会は多くありません。
油圧系のエンジントラブルでエンジンを分解したときには、オイル・ポンプを即交換することが多いためです。
しかし、オイル・ポンプの不具合なのか確証が持てない場合には、クリアランスを測定し、異常がなければポンプ周辺を清掃して再使用することもあるので、整備士として良否判定の手順は理解しておくべきでしょう。
No.5
【問題】
コンプレッション・リングに関する問題です。
正しい選択肢を選びます。
(1)、(2)、(3)、(4)共通
コンプレッション・リングとは、ピストンに取り付けられている“トップ・リング”と“セカンド・リング”の総称です。
コンプレッションという名前のとおり、シリンダ内の圧縮を逃がさず保つためのピストン・リングです。

ピストン・リングには複数の種類があり、断面形状に違いがあります。
形状による名称の違いを押さえておきましょう。

- プレーン型:特徴は特になく、一番基本的な形状。
- バレル・フェース型:シリンダとの接触面が円弧状。プレーン型の上下の角が取られた形状で、トップ・リングに使われる。
使い始めからシリンダを傷付けにくい=初期なじみが良い。
ちなみに、プレーン型も使っていくにつれて、シリンダとの接触により上下が削られ、バレル・フェース型のようになります。 - テーパ・フェース型:テーパ状になっているため、シリンダに対して面ではなく線で接触。
そのため、なじみやすく気密性が高い。セカンド・リングに使われます。
まずは、プレーン型、バレル・フェース型、テーパ・フェース型の形状・特徴を覚えておきましょう。
問題の答えはアンダ・カット型です。アンダ・カット型は名前どおり、リング下部がカットされていることを覚えておきましょう。
【正解】(3)
ピストン・リングの固着によって圧縮が保てず、エンジントラブルになる事例があります。
固着してしまう原因の多くは、エンジン・オイルの交換がされなかったことによるオイルの劣化です。
リングの固着を解消する添加剤を入れることで不具合が改善することもありますが、オイルの劣化に起因する不具合は多岐に渡りますので、オイル交換は確実に行うようにしましょう。
No.6
【問題】
プレッシャ型ラジエータ・キャップに関する問題です。
正しい選択肢を選びます。
冷却水が沸騰すると、気泡が発生し冷却効率が著しく低下します。
しかし、冷却水をできるだけ高温に保った方がエンジン効率は上がるため、100℃になっても沸騰しないよう、ラジエータに圧をかけて沸点が上げられています。
この原理は、気圧の低い山の上などでお湯を沸かすと70℃程度で沸騰することの逆の考え方です。
ラジエータの圧を上げるため、一般的にはラジエータのふたとしてラジエータ・キャップが使われており、ラジエータ・キャップは、プレッシャ・バルブとバキューム・バルブで構成されています。
プレッシャ・バルブとバキューム・バルブにはそれぞれスプリングが組み込まれており、圧力が規定値以上になるとスプリングが押し縮められプレッシャ・バルブが開き、冷却水はサブ・タンクへ送られラジエータ内の圧力が調整されます。
冷却水の温度が下がって収縮したときにはラジエータ内が負圧になるため、負圧に引き込まれることでバキューム・バルブが開き、サブ・タンクから冷却水を戻しています。

(1)について
バイパス・バルブは、一部のサーモスタットに取り付いている部品で、ラジエータ・キャップとは無関係です。
(2)、(3)について
冷却水温が上昇したときに開くのは“プレッシャ・バルブ”、低下したときに開くのは“バキューム・バルブ”です。
(4)について
リリーフ・バルブは、オイル・ポンプに取り付いている部品で、ラジエータ・キャップとは無関係です。
ラジエータ・キャップで大切なのは、圧力が上がったときに開く“プレッシャ・バルブ”と、圧力が低下して負圧になったときに開く“バキューム・バルブ”の2つです。
名前と合わせて役割を覚えましょう。
【正解】(2)
ラジエータ・キャップの劣化によって冷却水が減るトラブルにつながるケースは多くあり、そのままにしておくと冷却不足によるオーバーヒートへとつながります。
ラジエータ・キャップは、トラブルになる前に予防整備として交換することが重要です。
早めに交換する必要性をきちんと説明するためには、内部構造の理解が大切になってきます。
No.7
【問題】
バルブ・タイミングに関する問題です。
正しい選択肢を選びます。
(1)、(2)、(3)、(4)共通
この問題は各回に1問必ず出題されます。

上図は、クランクシャフトとピストンの位置関係、それに合わせて書いたダイヤグラムです。バルブ・タイミングの問題は、ダイヤグラムで解いていくと間違いも少なく分かりやすいです。
クランクシャフトとピストンの図では、エンジン前側(図の左方向)から1番~4番のシリンダを書いています。
まず押さえておくことは、1番と4番、2番と3番のピストンは必ず同じ位置にあるということです。
一方の組が上死点にいるとき、もう一方の組は下死点にあり、クランクシャフトを180°回転させると、それぞれの組は上死点と下死点が入れ替わります。
それぞれのピストンは“吸入・圧縮・燃焼・排気”と、4つの行程のいずれかを行っています。
問題を解くには、2つのダイヤグラムを書きます。
1つは元々(問題文に書かれている)の状態、もう1つは“その状態からクランクシャフトを〇〇°回転させたとき”の状態のダイヤグラムです。
上図では、一番上の図が元々の状態。
一番下の図が、元々の状態からクランクシャフトを360°回転させたときの状態です。
ダイヤグラムは右回り。
ダイヤグラムにシリンダ番号を入れていくときは、点火順序の順に左回りに入れていく。
排気上死点(オーバーラップ上死点)のみ、2か所に同じシリンダ番号が入る。(排気上死点=吸入が始まるところだから)
問題の初期状態のダイヤグラムと、クランク回転後のダイヤグラムの二つを書く。
同軸上のクランク・ピン部分の数字は、必ず“足して5”になる。
【正解】(3)
バルブ・クリアランスはカムの状態を見ながら測定するため、ダイヤグラムなどを意識することはないですが、エンジンの動きを知るうえでの筆記問題ということで、ぜひ覚えておきましょう。
No.8
【問題】
カートリッジ式オイル・フィルタのバイパス・バルブが開くときの記述問題です。
正しい選択肢を選びます。
(1)フィルタのエレメント入口の圧力が規定値を超えたとき
(2)オイルの圧力が規定値以下になったとき
(3)フィルタ出口側の圧力が入口側の圧力以上になったとき
(4)オイル・ストレーナが目詰まりしたとき

エンジン・オイルは、ストレーナとフィルタでオイル内のゴミを取られ、オイル・ギャラリへと進んでいきます。
オイルの経路内には、油圧異常を検出するオイル・プレッシャ・スイッチが取り付けられ、油圧が低下したときやIG ON時にメータ内のオイル・ランプを点灯させます。

オイル・フィルタの中にはエレメント(ろ紙)が入っており、オイルを通すことで小さいゴミを取っています。
フィルタが交換されていないなどでエレメントが詰まると、オイルが抜けなくなり入口側の圧力が上がります。
入口側の圧力が出口側の圧力より一定以上高くなると、バイパス・バルブを押さえているスプリングを押し縮め、バイパス・バルブが開き、エレメントを通さずバイパス・バルブからオイルを通します。
エレメントを通さないことで小さいゴミは取れませんが、オイルが通れないことによる潤滑不良を起こさないように考えられたバイパス通路です。
(1)について
エレメントが目詰まりするとオイルの抜けが悪くなることで、入口側の圧力が上昇します。
(2)について
オイル・ポンプはエンジンにより駆動されているため、エンジン回転が上がるとポンプの回転も上がります。
回転上昇によってオイルの圧送圧力が必要以上に高くならないよう、ポンプの圧送圧力が規定値以上になったときに開くリリーフ・バルブが付いています。
(3)について
バイパス・バルブが開くのは、入口側の圧力が規定値を超えたときです。
(4)について
ストレーナが目詰まりした場合は、オイルの通りが悪くなり油圧が低下することで、メータ内のオイル・ランプが点灯するようになっています。
エレメントが目詰まりすると入口側の圧力が上がる。
バイパス・バルブとリリーフ・バルブの勘違いに注意。
【正解】(1)
オイル・フィルタの交換は、エンジン・オイル交換と同時、または、オイルを2回交換するごとに1回が一般的です。
目立たない部品ですが、交換を怠っていると小さいゴミが残ったままオイルが循環し、様々な箇所の故障リスクにつながりますので、定期的に交換することが大切です。
No.9
【問題】
電子制御装置の各センサに関する問題です。
正しい記述を選択します。
(1)水温センサの特性に関する記述
(2)吸気温センサの役割に関する記述
(3)バキューム・センサの電圧特性に関する記述
(4)O2センサの構造に関する記述

水温センサと吸気温センサには、負特性のサーミスタが使われています。
負特性とは、温度が上がると抵抗が小さくなるものです。
2つのセンサの違いは金属製か樹脂製かだけで、特性はまったく同じものになります。

バキューム・センサは吸入空気量を検出するセンサで、センサ内部のシリコン・チップの変形を電圧に変換し、エンジンECUへ出力しています。
インテーク・マニホールドの圧力は、スロットル・バルブの開閉によって変化します。
その圧力は、スロットル・バルブが閉じている(アクセルを踏んでいない)ときは真空に近く、開いていく(アクセルを踏んでいく)ほど大気圧に近付いていきます。
センサの出力電圧は、大気圧に近付くほど高くなります。

O2センサは、排気ガスを直接センサに当てることで、排気ガス中の残存酸素濃度(どのくらい酸素があるか)を検出しています。
残存酸素濃度を見ることで、現在の空燃比が濃いのか薄いのかを知ることができます。
排気ガス中に酸素が多い…空燃比が薄い
排気ガス中に酸素が少ない…空燃比が濃い
センサ内面には大気が導入されており、ジルコニア素子を介して、センサ外面は排気ガスにさらされています。
(1)について
負特性ののサーミスタは、温度が上がると抵抗が下がります。
(2)について
吸気温センサは、吸入する空気の温度だけを見ています。
(3)について
真空のときは電圧が低く、大気に近付くにつれて電圧が高くなります。
(4)について
センサ内面に大気が入り、外面が排気ガスにさらされています。
水温センサと吸気温センサの特性は同じ。
バキューム・センサの信号電圧は、アクセルを踏んでいくと高くなる。
O2センサの構造では、内面と外面の文章入れ替えに注意。
【正解】(1)
水温センサに使われているサーミスタは、“特性ずれ”の故障を起こすことが多く、エンジンECUに間違った水温の信号が入ることで、エンジン不調のトラブルにつながることがあります。
センサの点検を行うときには、温度と抵抗の変化で見ていくことがあるため、ここで学ぶ構造や特性が基本となって、のちの点検につながります。
No.10
【問題】
排出ガス浄化装置に関する問題です。
正しい記述を選択します。
(1)三元触媒の浄化作用に関する記述
(2)燃料蒸発ガス排出抑止装置に関する記述
(3)PCVバルブの作動に関する記述
(4)EGR装置の作用・役割に関する記述
ガソリン・エンジン自動車から排出される有害ガスは、主に“ブローバイ・ガス”、“燃料蒸発ガス”、“排気ガス”の3つ。
【ブローバイ・ガス(吹き抜けガス)】
燃焼室からピストンとシリンダ壁の隙間を通ってクランクケース内に吹き抜けた未燃焼ガス。
主成分はガソリンの成分であるHCです。
吹き抜けたガスを溜め込まないように、ブローバイ・ガスをインテーク・マニホールドへ戻すためのPCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーションの頭文字)バルブが付いています。
【燃料蒸発ガス】
燃料タンクなどの燃料装置から燃料が蒸発し、大気中に放出されるガス。
これも主成分はHCです。
燃料蒸発ガスを大気に放出しないよう、燃料蒸発ガス排出抑止装置が設けられています。
【排気ガス】
燃焼したあと、マフラーから排出されるガス。
大部分が人体に無害なものですが、一部有害な成分を含んでいます。
[無害]
CO2:二酸化炭素、H2O:水、N2:窒素
[有害]
CO:一酸化炭素、HC:炭化水素、NOx:窒素酸化物
三元触媒は化学反応により、エンジンから排出された有害ガスであるCO、HC、NOxを、酸化と還元作用によりCO2、H2O、N2へと変換する装置です。
NOxはO2(酸素)を取るとN2になり、COとHCはO2(酸素)を加えることでCO2とH2Oになります。
O2を取ることを還元、O2を加えることを酸化といいます。


PCVバルブにはスプリングが取り付けられ、インテーク・マニホールド圧力とスプリングの引き合いによってバルブが動きます。
エンジン停止時には、スプリングの力によって通路は全閉しています。
EGRは、Exhaust Gas Recirculation(排気ガス再循環)の頭文字を取ったもので、排気ガスの一部をインテーク・マニホールドへ戻すための装置です。
エンジンは、理論空燃比付近で燃焼しているときほど燃焼状態が良くなりますが、その分最高燃焼ガス温度が高くなっています。
そこで、燃え終わった排気ガスをインマニへ戻し、混合気に排気ガスを混ぜた状態で燃焼させることで、わざと燃えを悪くさせます。
その結果、最高燃焼ガス温度が下がります。
そのため、最高燃焼ガス温度を下げることがNOxの低減につながります。
(1)について
三元触媒は、有害ガスを無害なガスへ変換する装置です。
問題文を読み違えないようにしましょう。
(2)について
装置の名前と役割を合わせて覚えます。
(3)について
ブローバイ・ガスは、エンジンの負荷が大きくなるほど多くなります。
つまり、インテーク・マニホールドが大気圧に近付くほど、PCVバルブの通過面積は広くなります。
(4)について
EGR装置の役割は、最高燃焼ガス温度を下げてNOxを低減することです。
三元触媒:酸化と還元、有害ガスを無害ガスへ浄化。
PCVバルブ:低負荷→通路狭い、高負荷→通路広い
【正解】(2)
構造の基本が分かると、「なぜ触媒が必要なのか?」「ブローバイ・ガス還元装置の点検ってどうやるの?」ということへの理解につながります。
車検の点検項目である“ブローバイ・ガス還元装置の点検”は、「この点検どうやるの?」という話になることが多いです。
この点検は、PCVバルブの作動に異常がないかを見ていきますが、PCVバルブの作動が分かっていないと点検自体が理解できません。
No.11
【問題】
レシプロ・エンジンのピストンを挿入するときに使用する工具の問題です。
正しい選択肢を選びます。
(1)、(2)、(3)、(4)について
【コンビネーション・プライヤ】
支点の穴を変えることによって、口の開きを大小二段にできるので、使用範囲が広いプライヤ。
【ピストン・リング・リプレーサ】
ピストン・リングを脱着するときに使用する。
【シリンダ・ゲージ】
シリンダの摩耗量などの測定に使用。
ダイヤル・ゲージを応用した測定器で、ダイヤル・ゲージに専用のリンク装置を取り付けて使う。
【ピストン・リング・コンプレッサ】
ピストン・リングを取り付けたあと、ピストンをシリンダへ挿入するときにリングを圧縮して広がらないようにする工具。
ピストン・リングをピストンのリング溝から脱着するときには、リングを広げる必要があります。
手で広げようとするとリングが折れてしまうこともあり、ピストン・リング・リプレーサは、ピストン・リングを広げるためのものです。
ピストン・リングには外側に張る力があります。
これは、リングの“張り”といわれるもので、張りがあるからリングはシリンダに密着することができます。
そのため、ピストンにリングを付けた状態でシリンダへ挿入しようとしても、リングが引っかかってしまい入りません。
そこで、ピストン・リング・コンプレッサでリングを圧縮した状態にし、ハンマの柄でピストンを押し込みながらシリンダへ挿入していきます。
【正解】(4)
用途に応じた適切な工具を使うことが部品を壊さないことにつながるので、「直すつもりが壊してしまう」ことのないよう工具の知識も持っておきたいものです。
しかし、専用工具は使用頻度が少ない割に高額なものが多く、代用できるものがあれば専用工具以外でも問題ないこともあるため、大切なのは「何をするのか?」「専用工具じゃないとできないのか?」を考え、判断する習慣を付けておくことだと思います。
No.12
【問題】
スタータに関する問題です。
正しい記述を選択します。
(1)オーバランニング・クラッチの働きに関する記述
(2)リダクション式の構造に関する記述
(3)リダクション式の利点に関する記述
(4)モータのフィールドの構造に関する記述
直結式は名前のとおり、モータの回転がそのままピニオンに伝わるタイプ。
一方、リダクション=減速のことで、減速機構を設け、モータの回転数を減速することでピニオンの回転力(トルク)を上げています。
仮に直結式とリダクション式が同じモータである場合、リダクション式の方が回転力が大きくなるため、「小さいモータでも回転力が確保できる」ことになり、モータを小型軽量化することができます。
オーバラン・クラッチにはワンウェイ・クラッチが使われていて、一方向は回転、逆方向にはロックするようになっています。
自転車のペダルのようなイメージで、ペダルが前回転のときには力を伝え、後回転ではフリーになることで力を伝えないようにします。
アーマチュアの回転をエンジンに伝えるときにはクラッチがロック方向になり、エンジンが始動するとエンジン側からアーマチュアが回されないよう、クラッチがフリーになることでアーマチュアの破損を防ぎます。


(1)について
オーバラン・クラッチは逆転防止のワンウェイ・クラッチです。
(2)について
リダクション=減速。
回転数を減速することで回転力を上げています。
(3)について
減速機構を設けることで回転力が上がるため、小型モータでも強い力になります。
(4)について
アーマチュア・コイルはフィールドの中で回転しています。
そのため、フィールドの構成部品ではありません。
【正解】(3)
減速機構は自転車のギヤと同じで、出力側の回転数を落として回転力を上げています。
トランスミッションやその他のギヤにもよく使われているため、今後の基礎になる考え方ですし、細かい構造を知ることで説明にも説得力が増し、お客様からの信頼にもつながると思います。
No.13
【問題】
水冷・加圧式の冷却装置に関する問題です。
正しい記述を選択します。
(1)ジグル・バルブの作動に関する記述
(2)冷却水の性能に関する記述
(3)ラジエータの構造に関する記述
(4)サーモスタットの取り付け位置に関する記述
冷却装置には「水冷式」と「空冷式」があり、自動車には一般的に水冷式が使われています。
水冷式は、冷却水を循環することでエンジンを適温に保っており、冷却水には機能性を向上させるため、様々な添加剤が使われています。
また、エンジンが冷えているときは早く適温にするため、サーモスタットを使って循環経路を変えることで一時的に冷却を止めています。

サーモスタットは常に冷却水にさらされており、規定の温度までは閉じています。中にはワックスが入っており、規定の温度になるとワックスが膨張し、サーモスタットが開いて冷却水が通っていけるようになります。
サーモスタットが開く規定の温度は、サーモスタットによって「〇〇℃」と設定されています。
【冷間時】
サーモスタットが閉じて、冷却水はエンジン内部のみを循環します。
【暖機後】
サーモスタットが開くことで、ラジエータを通り冷やされた冷却水がエンジン内を循環するようになります。
サーモスタットには“ジグル・バルブ”が付いているものがあり、ジグル・バルブは、冷却系統のエア抜きを容易にする働きがあります。
(1)について
ジグル・バルブの取り付いている小さい穴は、冷却系統内に空気が残っていない場合は閉じています。
(2)について
(3)について
ラジエータ・コアはアルミニウム合金で作られており、アッパー・タンクとロアー・タンクは軽量な樹脂で作られています。
(4)について
サーモスタットはラジエータ内ではなく、一般的にはロアー・ホースとエンジンの接続部に取り付いています。
