2級ガソリン

【2級ガソリン解説】令和7年度第1回 [問題18 ビスカスLSD]実施日:令和7年10月5日

hanabi

分かりやすくお伝えするため、要約により構成しています。

覚えやすさを優先しているため、独自の解釈があったり言葉足らずの部分もあるかと思いますが、試験に合格することを第一の目標としているためご理解ください。

正式な試験問題と解答は、日本自動車整備振興会連合会のホームぺージよりご確認ください。

【問題】
回転速度差感応式の差動制限型ディファレンシャルについての問題です。
間違っている記述を選択します。

まずは、それぞれの構造と特徴を押さえます。

種類と目的

差動制限型ディファレンシャル(以下:LSD)には機械式と電気式があり、機械式には回転速度差感応式やトルク感応式(ヘリカル・ギヤタイプ)がある。

回転速度差感応式はビスカス式とも呼ばれ、LSD内部のビスカス・カップリングの作用によって、トルク感応式は、LSD内部のヘリカル・ギヤの摩擦力によって差動を制限する。

目的は、“高回転側から低回転側に大きな駆動力を発生させる”こと。

回転速度差感応式

LSD内部には、通常のディファレンシャル部分に加え、“高粘度のシリコン・オイルと複数のインナ・プレート、アウタ・プレート”が取り付いている。
これを“ビスカス・カップリング”という。

左右輪の回転速度に差が生じたとき、インナ・プレートとアウタ・プレートに回転差が発生し、シリコン・オイルの作用によって高回転側から低回転側にビスカス・トルクが伝わり、低回転側に大きな駆動力が発生する。

高粘度のシリコン・オイルは“はちみつ”のようなもので、容器に入れた“はちみつ”を箸でかき回していくと、次第に容器ごと回り出す現象と同じイメージで考える。

このシリコン・オイルは、定期交換が指定されているデファレンシャル・オイルとは別物なので勘違い注意。

トルク感応式(ヘリカル・ギヤタイプ)

デファレンシャル・ケース内は、ピニオンやサイド・ギヤと呼ばれる複数のヘリカル・ギヤで構成されている。

左右輪の回転速度に差が生じると、各ギヤのかみ合い反力によって、ピニオンをディファレンシャル・ケースに押し付ける力が発生する。

この摩擦力によって、ピニオンとディファレンシャル・ケースが一体で回転しようとすることで、高回転側から低回転側に駆動力が伝えられる。

(1)について

左右輪に回転速度差が出たときにビスカス・トルクが発生します。
イメージしやすいのは、片輪が側溝などに脱輪し、脱輪した方の車輪だけが高速で回転しているような場合です。

(2)について

“大きいほど大きな”と、つなげて覚えておきましょう。

(3)について

LSDの目的は、低回転側に駆動力を発生させることです。
読み間違いに注意。

(4)について

文章のとおりです。

LSDまとめ

本来デファレンシャルは、旋回時など左右輪の回転速度差を調整するための差動装置です。(右旋回時:右輪回転低い、左輪回転高い)

しかし、通常のデファレンシャル(オープン・デフ)では、片方の車輪が回らなくなると、もう片方の車輪のみが回り続ける構造のため、状況によって差動を制限するものがLSDです。

【正解】(3)

【hanabiの現場メモ】

デファレンシャルを説明するのに脱輪を例にしていましたが、実際の車両の走行では、よほどきれいな直線でない限り、左右輪に回転差が発生していると言われます。

特に高速旋回時は遠心力が強く働き、右に旋回しているときは極端に見ると車両右側が浮いた状態になります。
左輪は接地し右輪が浮いていると考えると、これは脱輪したときと同じようになり、設置している左輪に駆動力が発生しづらくなります。

そのため、スポーツカーにはLSDが標準装備されることも多くあり、その中でも回転速度差感応式はシリコン・オイルを使用しているため、ギヤ式に比べ差動制限の効きがマイルドだと言われます。

ABOUT ME
hanabi
2級自動車整備士の資格を取得後、整備技術のアドバイザーとして15年間従事。同時に一級整備士指導員・整備士を対象とした国家試験対策講習会・整備技術研修会の講師として活動。
これまでの経験を活かし、自動車整備士の国家試験問題に対する “簡単な解き方や分かりやすい覚え方” を盛り込んだ解説をしています。
これから資格取得を目指す人のため、『どこよりも丁寧で分かりやすい解説』を目指しているブログです!
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