【3級ガソリン:潤滑装置】
このページでは、潤滑装置の過去問題を掲載しています。
分かりやすくお伝えするため、要約により構成しています。
覚えやすさを優先しているため、独自の解釈があったり言葉足らずの部分もあるかと思いますが、試験に合格することを第一の目標としているためご理解ください。
正式な試験問題と解答は、日本自動車整備振興会連合会のホームぺージよりご確認ください。
令和7年度第1回 No.4
【問題】
トロコイド式オイル・ポンプに関する問題です。
間違っている記述を選択します。
(1)各ロータの組み付け状態に関する記述
(2)サイド・クリアランスに関する記述
(3)各ロータの作動に関する記述
(4)チップ・クリアランスに関する記述
オイル・ポンプの良否を判断するために、3つのクリアランス(隙間)測定があります。
クリアランス測定にはシックネス・ゲージを使い、サイド・クリアランス測定では、シックネス・ゲージとストレート・エッジ(真っすぐな金属)を使います。
【チップ・クリアランス】
アウタ・ロータの山とインナ・ロータの山との隙間。
限度を超えている場合は、アウタ・ロータとインナ・ロータを組で交換。
【ボデー・クリアランス】
ポンプ・ボデーとアウタ・ロータとの隙間。
限度を超えている場合は、ポンプ・ボデー、アウタ・ロータ、インナ・ロータを組で交換。
【サイド・クリアランス】
ロータとカバー取り付け面との隙間。
限度を超えている場合は、ポンプ・ボデー、アウタ・ロータ、インナ・ロータを組で交換。

(1)について
インナ・ロータよりもアウタ・ロータの歯数の方が多く、インナ・ロータ中心とアウタ・ロータ中心位置は異なります。
中心の異なりを偏心と言い、この偏心によってオイルの圧送ができるようになっています。
(2)について
各クリアランスを上図で押さえておきましょう。
(3)について
クランクシャフトによりインナ・ロータが駆動され、インナ・ロータによってアウタ・ロータが回されます。
2つのロータの回転方向は同一です。
(4)について
各クリアランスを上図で押さえておきましょう。
各クリアランスの測定箇所と限度を超えていた場合の交換部分。
チップ・クリアランスはロータのみ。
ボデーとサイドはボデーとロータを全交換になります。
インナ・ロータが駆動、アウタ・ロータが受動で、回転方向は同一です。
【正解】(3)
オイル・ポンプのクリアランス測定の機会は多くありません。
油圧系のエンジントラブルでエンジンを分解したときには、オイル・ポンプを即交換することが多いためです。
しかし、オイル・ポンプの不具合なのか確証が持てない場合には、クリアランスを測定し、異常がなければポンプ周辺を清掃して再使用することもあるので、整備士として良否判定の手順は理解しておくべきでしょう。
令和7年度第1回 No.8
【問題】
カートリッジ式オイル・フィルタのバイパス・バルブが開くときの記述問題です。
正しい選択肢を選びます。
(1)フィルタのエレメント入口の圧力が規定値を超えたとき
(2)オイルの圧力が規定値以下になったとき
(3)フィルタ出口側の圧力が入口側の圧力以上になったとき
(4)オイル・ストレーナが目詰まりしたとき

エンジン・オイルは、ストレーナとフィルタでオイル内のゴミを取られ、オイル・ギャラリへと進んでいきます。
オイルの経路内には、油圧異常を検出するオイル・プレッシャ・スイッチが取り付けられ、油圧が低下したときやIG ON時にメータ内のオイル・ランプを点灯させます。

オイル・フィルタの中にはエレメント(ろ紙)が入っており、オイルを通すことで小さいゴミを取っています。
フィルタが交換されていないなどでエレメントが詰まると、オイルが抜けなくなり入口側の圧力が上がります。
入口側の圧力が出口側の圧力より一定以上高くなると、バイパス・バルブを押さえているスプリングを押し縮め、バイパス・バルブが開き、エレメントを通さずバイパス・バルブからオイルを通します。
エレメントを通さないことで小さいゴミは取れませんが、オイルが通れないことによる潤滑不良を起こさないように考えられたバイパス通路です。
(1)について
エレメントが目詰まりするとオイルの抜けが悪くなることで、入口側の圧力が上昇します。
(2)について
オイル・ポンプはエンジンにより駆動されているため、エンジン回転が上がるとポンプの回転も上がります。
回転上昇によってオイルの圧送圧力が必要以上に高くならないよう、ポンプの圧送圧力が規定値以上になったときに開くリリーフ・バルブが付いています。
(3)について
バイパス・バルブが開くのは、入口側の圧力が規定値を超えたときです。
(4)について
ストレーナが目詰まりした場合は、オイルの通りが悪くなり油圧が低下することで、メータ内のオイル・ランプが点灯するようになっています。
エレメントが目詰まりすると入口側の圧力が上がる。
バイパス・バルブとリリーフ・バルブの勘違いに注意。
【正解】(1)
オイル・フィルタの交換は、エンジン・オイル交換と同時、または、オイルを2回交換するごとに1回が一般的です。
目立たない部品ですが、交換を怠っていると小さいゴミが残ったままオイルが循環し、様々な箇所の故障リスクにつながりますので、定期的に交換することが大切です。
