3級ガソリン

【3級ガソリン:エンジン本体】

hanabi

このページでは、エンジン本体の過去問題を掲載しています。

分かりやすくお伝えするため、要約により構成しています。

覚えやすさを優先しているため、独自の解釈があったり言葉足らずの部分もあるかと思いますが、試験に合格することを第一の目標としているためご理解ください。

正式な試験問題と解答は、日本自動車整備振興会連合会のホームぺージよりご確認ください。

令和7年度第1回 No.1

【問題】
エンジンの燃焼および排出ガスに関する問題です。
間違っている記述を選択します。

(1)シリンダ内の構成・特徴に関する記述
(2)燃料蒸発ガスの成分に関する記述
(3)ブローバイ・ガスの発生に関する記述
(4)混合気の空燃比に関する記述

シリンダ内部
空燃比とは?

空燃比とは、空気とガソリンの割合のこと。
燃料を完全燃焼させるのに理想とされる理論空燃比は、14.7:1(空気:ガソリン)と言われています。

一方、最適な空燃比(混合割合)は、運転状況や燃焼状態で大きく変わるため、理論空燃比に対して“濃い・薄い”空燃比に調整されます。

始動時・高負荷時濃い空燃比(5:1や7:1など)
低負荷時薄い空燃比(16:1や20:1など)

ガソリン・エンジン自動車から排出される有害ガスは、主に“ブローバイ・ガス”、“燃料蒸発ガス”、“排気ガス”の3つ。

【ブローバイ・ガス(吹き抜けガス)】
燃焼室からピストンとシリンダ壁の隙間を通ってクランク・ケース内に吹き抜けた未燃焼ガス。
主成分はガソリンの成分であるHCです。

【燃料蒸発ガス】
燃料タンクなどの燃料装置から燃料が蒸発し、大気中に放出されるガス。
これも主成分はHCです。

【排気ガス】
燃焼したあと、マフラーから排出されるガス。
大部分が人体に無害なものですが、一部有害な成分を含んでいます。

[無害]
CO2:二酸化炭素、H2O:水、N2:窒素
[有害]
CO:一酸化炭素、HC:炭化水素、Nox:窒素酸化物

(1)について

シリンダ内の燃焼圧力は燃焼開始後上昇し、ピストンが上死点から下がり始めた直後が最大になります。

(2)について

燃料タンク内で燃料が蒸発したガスのことで、ガス成分はガソリンの主成分のHCです。

(3)について

ブローバイ・ガスは吹き抜けガスのことで、ピストンとシリンダ壁の隙間を抜けていきます。
ガス成分は、ガソリンの主成分のHCです。

(4)について

エンジン始動時は、とにかく一発でエンジンをかけるため、濃い空燃比になります。

覚え方のポイント

空燃比の問題は多いので、濃い・薄いを理解しましょう。
ポイントは『理論空燃比に対して』です。

HCはガソリンそのもの。COは燃焼時の酸素不足で発生します。
有害ガスの発生要因を理解しておくと間違えません。

【正解】(1)

【hanabiの現場メモ】

空燃比のずれによるエンジントラブルは数多くあります。

試験の問題ではありますが、この空燃比の理解が基礎になって整備へとつながっていきますので、しっかりと覚えておきましょう。

令和7年度第1回 No.2

【問題】
インテーク・マニホールド、エキゾースト・マニホールドに関する問題です。
正しい記述を選択します。

(1)エキマニの取り付け位置に関する記述
(2)エキマニの構造に関する記述
(3)インマニ構造の工夫に関する記述
(4)インマニの材質に関する記述

エンジン構成

【体積効率】
吸入した混合気を100%シリンダへ送ることができれば、体積効率は1となりますが、実際のエンジンではスロットル・バルブ、インテーク・バルブによる抵抗や、インテーク・マニホールドの形状(カーブがきついと抵抗多い)により、体積効率は0.8程度です。

その体積効率を上げるために、インテーク・マニホールドの形状を見直したり、吸気ポートを研磨したりと、吸気抵抗を減らす工夫がされています。

(1)について

インテーク・マニホールドやエキゾースト・マニホールドは、インテーク・バルブやエキゾースト・バルブのあるシリンダ・ヘッドに取り付きます

(2)について

サージ・タンクとは空気を溜めておく場所のことで、吸入した空気を一時的に蓄えておき、各シリンダへ均等に分配するために設けられています。

そのため、サージ・タンクはインテーク・マニホールドと一体になっているものがあります。

(3)について

吸気抵抗を下げることで混合気がスムーズに流れるようになり、各シリンダの体積効率を上げることができます。

(4)について

エキゾースト・マニホールドと比較して低温であるインテーク・マニホールドには、アルミニウム合金のほかに、軽量な樹脂製のものも使われています。

【正解】(4)

【hanabiの現場メモ】

吸気抵抗を減らす(体積効率を上げる)ということ一つをとっても、可変吸気のマニホールドやスロットル・バルブを廃止したバルブ・マチック、ターボ・チャージャなど、多くの装置があります。

整備をしていく中で、この装置の目的なに?ということが多く出てくると思います。
問題に出た吸気抵抗や体積効率の理解によって、新しい装置や新機構の早期理解が期待でき、その結果、車全体の理解度向上へとつながっていきます。

令和7年度第1回 No.5

【問題】
コンプレッション・リングに関する問題です。
正しい選択肢を選びます。

(1)、(2)、(3)、(4)共通

コンプレッション・リングとは、ピストンに取り付けられている“トップ・リング”と“セカンド・リング”の総称です。

コンプレッションという名前のとおり、シリンダ内の圧縮を逃がさず保つためのピストン・リングです。

リング構造

ピストン・リングには複数の種類があり、断面形状に違いがあります。

形状による名称の違いを押さえておきましょう。

リング形状
  • プレーン型:特徴は特になく、一番基本的な形状。
  • バレル・フェース型:シリンダとの接触面が円弧状。プレーン型の上下の角が取られた形状で、トップ・リングに使われる。
    使い始めからシリンダを傷付けにくい=初期なじみが良い。
    ちなみに、プレーン型も使っていくにつれて、シリンダとの接触により上下が削られ、バレル・フェース型のようになります。
  • テーパ・フェース型:テーパ状になっているため、シリンダに対して面ではなく線で接触。
    そのため、なじみやすく気密性が高い。セカンド・リングに使われます。
覚え方のポイント

まずは、プレーン型、バレル・フェース型、テーパ・フェース型の形状・特徴を覚えておきましょう。

問題の答えはアンダ・カット型です。アンダ・カット型は名前どおり、リング下部がカットされていることを覚えておきましょう。

【正解】(3)

【hanabiの現場メモ】

ピストン・リングの固着によって圧縮が保てず、エンジントラブルになる事例があります。
固着してしまう原因の多くは、エンジン・オイルの交換がされなかったことによるオイルの劣化です。

リングの固着を解消する添加剤を入れることで不具合が改善することもありますが、オイルの劣化に起因する不具合は多岐に渡りますので、オイル交換は確実に行うようにしましょう。

令和7年度第1回 No.10

【問題】
排出ガス浄化装置に関する問題です。
正しい記述を選択します。

(1)三元触媒の浄化作用に関する記述
(2)燃料蒸発ガス排出抑止装置に関する記述
(3)PCVバルブの作動に関する記述
(4)EGR装置の作用・役割に関する記述

排出ガスについて

ガソリン・エンジン自動車から排出される有害ガスは、主に“ブローバイ・ガス”、“燃料蒸発ガス”、“排気ガス”の3つ。

【ブローバイ・ガス(吹き抜けガス)】
燃焼室からピストンとシリンダ壁の隙間を通ってクランクケース内に吹き抜けた未燃焼ガス。
主成分はガソリンの成分であるHCです。

吹き抜けたガスを溜め込まないように、ブローバイ・ガスをインテーク・マニホールドへ戻すためのPCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーションの頭文字)バルブが付いています。

【燃料蒸発ガス】
燃料タンクなどの燃料装置から燃料が蒸発し、大気中に放出されるガス。
これも主成分はHCです。

燃料蒸発ガスを大気に放出しないよう、燃料蒸発ガス排出抑止装置が設けられています。

【排気ガス】
燃焼したあと、マフラーから排出されるガス。
大部分が人体に無害なものですが、一部有害な成分を含んでいます。

[無害]
CO2:二酸化炭素、H2O:水、N2:窒素
[有害]
CO:一酸化炭素、HC:炭化水素、NOx:窒素酸化物

三元触媒の働き

三元触媒は化学反応により、エンジンから排出された有害ガスであるCO、HC、NOxを、酸化と還元作用によりCO2、H2O、N2へと変換する装置です。

NOxはO2(酸素)を取るとN2になり、COとHCはO2(酸素)を加えることでCO2とH2Oになります。

O2を取ることを還元、O2を加えることを酸化といいます。

触媒
PCVバルブ
PCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション)バルブ

PCVバルブにはスプリングが取り付けられ、インテーク・マニホールド圧力とスプリングの引き合いによってバルブが動きます。

エンジン停止時には、スプリングの力によって通路は全閉しています。

EGR(排気ガス再循環)装置

EGRは、Exhaust Gas Recirculation(排気ガス再循環)の頭文字を取ったもので、排気ガスの一部をインテーク・マニホールドへ戻すための装置です。

エンジンは、理論空燃比付近で燃焼しているときほど燃焼状態が良くなりますが、その分最高燃焼ガス温度が高くなっています。

そこで、燃え終わった排気ガスをインマニへ戻し、混合気に排気ガスを混ぜた状態で燃焼させることで、わざと燃えを悪くさせます。

その結果、最高燃焼ガス温度が下がります。

そのため、最高燃焼ガス温度を下げることがNOxの低減につながります。

(1)について

三元触媒は、有害ガスを無害なガスへ変換する装置です。
問題文を読み違えないようにしましょう。

(2)について

装置の名前と役割を合わせて覚えます。

(3)について

ブローバイ・ガスは、エンジンの負荷が大きくなるほど多くなります。
つまり、インテーク・マニホールドが大気圧に近付くほど、PCVバルブの通過面積は広くなります。

(4)について

EGR装置の役割は、最高燃焼ガス温度を下げてNOxを低減することです。

覚え方のポイント

三元触媒:酸化と還元、有害ガスを無害ガスへ浄化。

PCVバルブ:低負荷→通路狭い、高負荷→通路広い

【正解】(2)

【hanabiの現場メモ】

構造の基本が分かると、「なぜ触媒が必要なのか?」「ブローバイ・ガス還元装置の点検ってどうやるの?」ということへの理解につながります。

車検の点検項目である“ブローバイ・ガス還元装置の点検”は、「この点検どうやるの?」という話になることが多いです。
この点検は、PCVバルブの作動に異常がないかを見ていきますが、PCVバルブの作動が分かっていないと点検自体が理解できません。

ABOUT ME
hanabi
2級自動車整備士の資格を取得後、整備技術のアドバイザーとして15年間従事。同時に一級整備士指導員・整備士を対象とした国家試験対策講習会・整備技術研修会の講師として活動。
これまでの経験を活かし、自動車整備士の国家試験問題に対する “簡単な解き方や分かりやすい覚え方” を盛り込んだ解説をしています。
これから資格取得を目指す人のため、『どこよりも丁寧で分かりやすい解説』を目指しているブログです!
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