【2級ガソリン解説】令和7年度第1回 [問題19 オートマのロックアップ]実施日:令和7年10月5日
分かりやすくお伝えするため、要約により構成しています。
覚えやすさを優先しているため、独自の解釈があったり言葉足らずの部分もあるかと思いますが、試験に合格することを第一の目標としているためご理解ください。
正式な試験問題と解答は、日本自動車整備振興会連合会のホームぺージよりご確認ください。
【問題】
電子制御式AT のロックアップ機構についての問題です。
間違っている記述を選択します。
(1)ロックアップ・ピストンの衝撃吸収に関する記述
(2)ロックアップ・ピストンの構造に関する記述
(3)ロックアップ・ピストンの役割に関する記述
(4)ロックアップ・ピストンの動力伝達に関する記述
主にAT車に使われているトルク・コンバータは、ポンプ・インペラ(以下:ポンプ)がエンジンにより回され、その回転はATFを介してタービン・ランナ(以下:タービン)へ伝えられています。
ATFを介して動力が伝わるため、わずかながら動力ロスが発生し、仮にポンプが3000回転している場合、タービンはそのまま3000回転とはなりません。
しかし、初めから直結状態にしておくと、車両の抵抗によってエンジン・ストールを起こしてしまうため、ある程度回転速度が上がってからでないとロックアップは締結できません。
ロックアップは、ロックアップ・ピストンの摩擦材をカバーに押し付けることで行われます。
ロックアップ解除時は、ATFの油圧によってロックアップ・ピストンがカバーから離れた状態になっており、締結時にはロックアップ・ピストンの摩擦材側のATFをドレーンすることで、油圧の力により摩擦材をカバーに密着させています。
ロックアップ・ピストンは、タービンにスプラインかん合している(機械的につながっている)ため、ロックアップが締結すると、エンジン回転→カバー→タービンへと動力が伝わるようになります。
また、ロックアップ・ピストンには、エンジンのトルク変動を吸収・緩和するためのダンパ・スプリングが組み込まれています。

(1)について
エンジンのトルク変動がダイレクトにかかる部分になるため、その衝撃を吸収・緩和するためのダンパ・スプリングが組み込まれています。
(2)について
どこにスプラインかん合しているのかを押さえる。
(3)について
ロックアップはポンプとタービンの直結装置。直接動力を伝えます。
(4)について
ロックアップ・ピストンがカバーに密着することで、カバーの回転が直接タービンに伝わります。
ロックアップ・ピストンがカバーに密着すると直結状態になります。
読み間違いに注意しましょう。
【正解】(4)
【過去と現在】
ロックアップの構造を見ていると、できるだけ早めに直結状態にした方がいいですよね。
昔の車のロックアップ制御はONかOFFだけだったので、ある程度の速度域(例:60km/h以上)にならないと直結状態にできませんでしたが、現在の車両は制御の精度が上がり、じわっとON→しっかりONと細かい動きが可能です。
この制御はフレックス・ロックアップと呼ばれ、低速域(例:10~20km/h)からじわじわロックアップを開始しています。
【エンスト トラブル】
FR車でロックアップが影響し、“減速時にエンストする”ことがあります。原因は“ATF量の不足”で、ATFを規定量に調整するとトラブルは解消。
原因はこうです。
走行中にロックアップ制御がONにしたあと減速すると、ロックアップ制御はOFFになりますが、ATF量の不足によりロックアップ・ピストンをカバーから離すための油圧が確保できず、ロックアップが効いたままになることで、エンジン回転が車の抵抗により妨害されエンストするというものでした。
この事例からは、構造理解の重要性やATFの点検・管理の必要性を学びました。
