【2級ガソリン】令和7年度第1回 実施日:令和7年10月5日 No.1
分かりやすくお伝えするため、要約により構成しています。
覚えやすさを優先しているため、独自の解釈があったり言葉足らずの部分もあるかと思いますが、試験に合格することを第一の目標としているためご理解ください。
正式な試験問題と解答は、日本自動車整備振興会連合会のホームぺージよりご確認ください。
【問題】
コンロッド・ベアリングに関する基礎知識についての問題です。
正しい記述を選択します。
(1)ベアリングに求められる性質に関する記述
(2)アルミニウム合金メタルの錫の含有量と熱膨張、オイル・クリアランスに関する記述
(3)クラッシュ・ハイトに関する記述
(4)トリメタル(三層メタル)の材質に関する記述
【解説】
(1)について
コンロッド・ベアリングとは、コンロッドに取り付けられるベアリングのことで、コンロッドとクランク・シャフトのクランク・ピン部分の間に入ります。

コンロッド・ベアリングに求められる性質は、主に以下の5つです。
- 非焼き付き性:ベアリングとクランク・ピンに金属接触が起きた場合、ベアリングが焼き付きにくい性質。
- なじみ性:ベアリングをクランク・ピンに組んだとき、すぐにクランク・ピンになじむ性質。
- 埋没性:異物などをベアリング表面に埋め込むことにより、クランク・ピンに傷を付けにくい性質。
- 耐食性:酸などにより腐食されにくい性質。
- 耐疲労性:繰り返し負担がかかっても疲労が少なく、ベアリングとしての仕事を続けられる性質。
〇〇性の言葉を、そのまま性質の説明に当てはめて考えます。
上記マーカー部分を要点として覚えましょう。
(2)について
アルミニウム合金に含まれている錫(すず)。
錫の含有率が高い(錫がたくさん入っている)と、摩耗しづらい一方で熱膨張が大きくなります。
熱膨張とは、熱が加わったときに膨張する性質のこと。
熱膨張が大きくなるということは、膨張したときのことを見越してオイル・クリアランス(上図参照)を大きくしておく必要があります。
錫の含有率が高い=熱膨張が大きい=オイル・クリアランスを大きく。
高い・大きいと、言葉が続くので覚えやすいです。
(3)について
まず、クラッシュ・ハイトとは、“締め代”のこと。
コンロッド・ベアリングはコンロッドに取り付きますが、コンロッドの寸法よりも少し大きく作られています。
目的は、ベアリングを取り付けたときに、密着性を上げて熱の伝わりを良くすることです。

図では、ものすごく極端に書いています。
実際には目視で分かるほど大きくはありませんが、問題を考えていくときには、このぐらい極端に考えた方が分かりやすいことが多いです。
クラッシュ・ハイトは密着性を上げるためのものなので、クラッシュ・ハイトが小さい(寸法が足りていない)と密着が悪くなり、逆に大きすぎると取り付けたときにたわみが出て、局部的に負担がかかります。

極端な図ですが、たわみのイメージはこれです。
クラッシュ・ハイトが大きすぎるためにベアリングがたわみ、波打ったようになることで局部的に接触している状態です。
クラッシュ・ハイト
小さい=密着悪い。大きい=たわみが出て、局部的に接触。
(4)について
コンロッド・ベアリングの材質、トリメタル(三層メタル)。
ベアリングはトリプル(3つ)のメタルで構成されています。

トリメタル=トリプルメタル
三層で構成されている。
【正解】(1)
整備現場では、親メタル・子メタルという呼び名があります。
親メタルは、クランクシャフト・ジャーナル・ベアリングのこと、子メタルは、コンロッド・ベアリングのことです。
オイル交換などを怠ると潤滑不良になり、オイル・クリアランスが保てなくなることで金属接触を起こし、メタルが傷だらけになってエンジンが焼き付いてしまう大惨事へとつながります。
この、メタルが傷だらけになることを“メタルが流れる”といい、前兆として、エンジン回転中に“ゴォー”という異音が発生することがあります。
