【2級ガソリン】令和7年度第1回 実施日:令和7年10月5日 No.5
分かりやすくお伝えするため、要約により構成しています。
覚えやすさを優先しているため、独自の解釈があったり言葉足らずの部分もあるかと思いますが、試験に合格することを第一の目標としているためご理解ください。
正式な試験問題と解答は、日本自動車整備振興会連合会のホームぺージよりご確認ください。
【問題】
エンジン内部で発生するNox(窒素酸化物)の低減策についての問題です。
正しい記述を選択します。
(1)インマニ形状の工夫に関する記述
(2)、(3)、(4)最高燃焼ガス温度の影響に関する記述
【解説】
問題理解に必要なものは以下の内容です。
ガソリン・エンジン自動車が排出する有害ガスは大きく3つ。
CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、Nox(窒素酸化物)です。
発生要因として、COは不完全燃焼、HCは生ガス排出(燃え残り)、Noxは高温で燃焼したとき、です。
COとHCは、燃焼改善により低減することができます。
一方、Noxは窒素と酸素の化合物で、人体には無害である一方、オゾン層を破壊し酸性雨のもとになる危険性から、有害排出ガスとして扱われます。
エンジン内部で燃焼する際、一定の条件によりNoxが発生するため、発生条件を満たさないよう様々な工夫がされています。
発生条件の大きなポイントが、最高燃焼ガス温度です。
燃焼温度が約1500℃を超えると、Noxが急速に生成されると言われています。
そのため、最高燃焼ガス温度を下げることがNoxの低減につながります。
最高燃焼ガス温度を下げるには、燃焼状態を改善し、素早く燃焼を完了させることが有効です。
(1)について
インマニ形状を見直し、混合気の流れをスムーズにすることで流れが阻害されず、燃焼状態が良くなりCOとHCの低減につながります。
(2)について
空燃比とは、空気とガソリンの割合のこと。
燃料を完全燃焼させるのに理想とされる空燃比は、14.7:1(空気:ガソリン)と言われています。(理論空燃比と呼ばれる)
最適な空燃比(混合割合)は、運転状況や燃焼状態で大きく変わります。
空気の量をコントロールすることは難しいため、燃料の量を調整することで空燃比を変化させています。
つまり、燃料の噴射量を細かく増減する制御が空燃比制御。
運転状況は様々なセンサの信号から、燃焼状態はO2センサで排気ガスの酸素量を検出することにより演算されています。
スパーク・プラグに点火するタイミングを細かく調整すること。
様々なセンサの信号によって、最適なタイミングが選択されます。
燃焼を素早く完了させるための制御です。
上記の制御により、燃焼をスムーズに行い混合気を素早く燃やすことで、最高燃焼ガス温度を下げています。
(3)について
燃焼時間が長くダラダラと燃焼してしまうと、最高燃焼ガス温度が上がってしまう要因になります。
燃焼室形状を改良し、点火してから燃焼完了までの時間を短く(素早く燃やす)することが、最高燃焼ガス温度を下げることにつながります。
(4)について
EGRは、Exhaust Gas Recirculation(排気ガス再循環)の頭文字を取ったもので、排気ガスの一部をインマニへ戻すための装置です。
エンジンは、理論空燃比付近で燃焼しているときほど燃焼状態は良いですが、その分最高燃焼ガス温度が高くなっています。
そこで、燃え終わった排気ガスをインマニへ戻し、混合気に排気ガスを混ぜた状態で燃焼させることで、わざと燃えを悪くさせています。
その結果、最高燃焼ガス温度が下がります。

INバルブやEXバルブの開閉タイミングを調整するものです。
バルブはカムシャフトにより駆動されているため、通常、エンジンに組み付けた時点で開閉タイミングが固定されますが、カムシャフトの動きを制御し、カムシャフトがバルブに当たり出すタイミングを変えることで開閉タイミングを調整することが可能になります。
下図のように、開閉タイミングを調整することで、排気されようとしていたガスが、燃焼室に逆流する現象を起こすことができます。
ちなみに、これは“内部EGR”と呼ばれます。
先述したEGR装置を別に設けたものは“外部EGR”と呼ばれ、その目的は同じですが、導入量に差があることからエンジンによって、外部EGR有り無しが選択されています。

CO、HCは、燃焼自体を良くすることで低減できる。
Noxは、燃焼時間を短くし最高燃焼ガス温度を下げることで低減できる。
【正解】(4)
EGRバルブに排気ガス中の汚れが溜まることで作動不良が起きてしまい、ECUが狙った量以上の排気ガスがシリンダに入り込んでしまうことで、アイドリング~走行中の様々なシーンでエンジン不調になるケースが多くあります。
EGRバルブを清掃すると改善することが多いですが、数か月後に症状が再発する場合があります。
それは、“EGRバルブに汚れが溜まりやすい要因が他にある”可能性があり、私の経験では、スパーク・プラグが長期間交換されていなかったために燃焼状態が悪くなり、排気ガスに燃え残りが大量混入することでバルブが汚れやすくなっていたことがあります。
